作成日:2020.10.20  /  最終更新日:2020.12.11

会社設立後にかかる4つの年間維持費用とは【赤字でも負担が必須?】

会社は設立してからがスタートで、何年何十年も経営し続けるためには会社の様々な性質を理解していかなくてはなりません。売上を伸ばすことも大切ですが、コストを削減していく事も重要なのはご存じでしょうか。

会社を経営していくにおいて必要な維持費を事前に理解しておかないとすぐに会社は回らなくなってしまいます。

今回は会社を設立した後にかかる4つの維持費について詳しく解説します。これから会社を設立しようと考えている人はこの記事を読んで維持費がどのくらいかかるのかしっかりと理解してから行動しましょう。

会社設立後に最低限かかる維持費は2つ

まずは会社を設立した後に、どうしてもかかってしまう費用を2つご紹介します。

税金:赤字でも法人住民税は最低7万円

法人住民税は「税割」と「均等割」の2つに分けられます。このうち均等割は会社が存在していることで課税されるため、会社が黒字であっても赤字であっても決まった金額を支払わなくてはなりません。

株式会社や合同会社、一般社団法人のように法人格を持った会社はもちろんのこと、法人格のない社団(権能なき社団)や財団も課税対象になります。法人住民税の均等割り、赤字でも最低「7万円」支払わなくてはならないため、起業したばかりで資金に余裕がない人には苦しい税金です。

納付期限は、ほかの法人税と同じで、「事業年度終了日の翌日から2か月以内」です。

※例えば事業年後は4月1日から翌年3月末の場合、納付期限は5月31日までです。納付方法は、税務署や市区町村の窓口、最近では電子納付でスマートフォンでも支払うことができます。

ちなみに最低7万円と言いましたが、金額がどのように変化するのか参考までに表で説明します。(東京都の場合)

資本金の額 本店が所在する特別区
(道府県分+特別区)
1,000万以下 50人以下 70,000円
50人超 140,000円
1,000万以下超~1億円以下 50人以下 180,000円
50人超 200,000円
1億円超~10億円以下 50人以下 290,000円
50人超 530,000円
10億円超~50億円以下 50人以下 950,000円
50人超 2,290,000円
50億円超~ 50人以下 1,210,000円
50人超 3,800,000円

社会保険:月給20万円の社員がいれば年36万円

社会保険は社員が1人でもいれば加入しなくてはなりません。代表取締役も社員の1人なので、すべての会社は社会保険に加入する必要があります。

社会保険は大きく分けて「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」の5つに分かれます。

種類 内容 加入対象者
健康保険料 病気で治療を行う際の医療費を一部肩代わりするための財源になる、公的な医療保険料です。 ①雇用期間の定めのない正社員
②パートタイム
介護保険料 介護施設や自宅で介護サービスを受ける際の費用を、一部肩代わりするための財源となる保険料です。 上と同じかつ年齢が40歳~64歳
厚生年金保険料 老後もしくは障害・死亡の際に給付する、老齢・障害・遺族厚生年金の財源とするための保険料です。 70歳未満全員
雇用保険料 失業者の他、育児・介護休業をとった労働者や、60歳以上で企業勤めしている一部の労働者に給付するための財源になります。 労働時間が週20時間以上かつ31日以上の雇用見込み(個人事業主、法人役員、家族従業員は対象から外れます)
労災保険料 従業員が業務上、もしくは通勤途中に事故(災害)にあった際に、企業が従業員に補償すべきお金を肩代わりしてもらうために支払う保険料です。 すべての従業員

※パートタイムは健康保険料、介護保険料の加入対象ですが、以下の条件に含まれる必要があります。

  • 2か月を超える雇用見込み
  • 1週間における労働時間が正社員の4分の3以上
  • 1か月の所定労働日数が正社員の4分の3以上

事業の種類によって多少の誤差はありますが、社会保険料の会社負担の割合は給与の15%程度です。例えば月給20万円の社員(20代)が1人いれば、月々約30,000円×12か月で36万円となります。

会社設立後にかかるその他の年間維持費は2つ

税金や社会保険料は会社や従業員がいる限り継続的に払う費用ですが、次は抑えることができるコストの話をします。

専門家への報酬:顧問契約なら年12万円

個人事業主の時に自分で会計処理を行っていた人であれば、法人でもなんとかできるかと思います。しかし、税理士とすでに提携している場合はそのまま継続して契約をしていれば、法人用の顧問料が発生します。

起業して間もない会社であれば、顧問料は「月々1万~2万円×12か月=12万~24万円」かかります。

運営コスト:都内でオフィスを構えれば年200万円以上

会社の維持費で一番差がでるのが「賃料」です。インターネット事業など、自宅でできるのであれば、無理に借りる必要もありません。都内でオフィスを借りようとすれば月々20万円~30万円はかかります。

この金額は賃料だけで、そこから電気代や水道代、事務用品などの補充を合わせると月々1万円ほどかかります。起業したばかりで人数が多くなければレンタルオフィスでも問題ありません。レンタルオフィスは通常の賃貸オフィスと異なり、業務に必要な家具(机や椅子)やコピー機などが備え付けられていいます。

レンタルオフィスは賃貸オフィスに比べて賃料が安いですが、それでも都内で借りた場合、渋谷区で3名用1室を借りた場合、月額9万円かかります。
年額にすると108万円ですが、レンタルオフィスがWi-Fiが使えたり、光熱費が家賃に含まれていたりするので、コストパフォーマンスが良いです。

地方であれば月々2万円などで借りられますが、移動で時間が交通費を割くくらいであれば、自分の自宅から通いやすいところで借りるのが1番です。

賃貸物件は多くの場合、居住用になっているため、会社の登記をいれることができません。自宅で仕事はできるけれど、会社を設立したい場合はバーチャルオフィスを借りましょう。バーチャルオフィスであれば数千円で会社の登記を入れることができ、住所は都内になります。

ケース別で見る会社設立後の年間維持費

それでは具体的にどのくらい維持費がかかるのか、働く人数や会社の規模で比較してみましょう。

「一人社長×レンタルオフィス×専門家への依頼ナシ」

会社を起業して最初の段階です。自分以外に人もおらず、できるだけ安いコストで経営ができます。

税金:約42万円~(年間)

月々の売り上げが20万円、インターネットで仕事しており、コストはほぼ0円。自分の報酬を10万円としたときにかかる税金はこちらです。

  • 法人税・・・34万円
  • 事業税・・・8万円

社会保険料:約36万円~(年間)

20代で20万円の利益を報酬として受け取っていた場合です。会社のコストということで自分が天引きされる社会保険料は含まれていません。

運用コスト:約75万円~

運用コスト(ランニングコスト)は設備やその他必要な道具などに使いますが、こちらは様々なお金が出ていきます。

  • レンタルオフィス・・・36万円
  • レンタカー代・・・12万円
  • 通信費(携帯など)・・・12万円
  • 光熱費・・・8万4000円
  • 消耗品・・・6万円

1人で経営をしていても、年間で約150万円のコストがかかっています。

「社員10名規模×都内のオフィスを利用×税理士と顧問契約を結ぶ」

会社が大きくなり、オフィスもしっかりしてくるので、だいぶコストがかかります。計算を簡単にするため、1人当たりの給料は20万円で統一しています。

税金:約460万円~

  • 法人税・・・360万円
  • 事業税・・・100万円

社会保険:約360万円~(年間)

給料が20万円とし、1人当たりの社会保険料に対して会社が負担するのが年間36万円なので、こちらを10人とすると、年間360万円負担することになります。

税理士の顧問契約:約30万円~

売上が4000万円として、毎月1回税理士と打ち合わせの場合、相場では毎月約25,000円なので、年間で30万円です。

運用コスト:約624万円~

  • レンタルオフィス・・・480万円(40万円×12か月)
  • レンタカー代・・・12万円
  • 通信費(携帯など)・・・12万円
  • 光熱費・・・60万円
  • 消耗品・・・50万円

10人規模で65㎡のオフィスを借りて経営をしていると、年間でなんと約1400万円ものコストがかかっています。

会社設立後にかかる年間維持費を抑えるコツ

会社の維持費は安くなればなるほど売り上げが上がりるので、可能であれば維持費は減らしていきましょう。そこでおすすめの方法をご紹介します。

税金:節税対策すれば法人所得税は抑えられる

先ほども説明したとおり、法人住民税は会社の存在自体にかかる税金であるため、赤字でも支払い義務があります。上の表を見てもらうとわかりますが、資本金が1,000万円以下の場合は最低7万円となります。

しかし、法人事業税は法人税額によって変わるので、節税対策をしっかり行い、法人税の所得金額を抑えることができれば税金負担を減らすことができます。

社用車を導入する

個人名義の車があれば、それを社用車として使うことによって車の取得費用を経費計上できます。社用車になれば、燃料費や自動車保険料、有料道路代なども経費として落とせます。

リースで利用している場合は、事業年度の期末に翌年分を一括前払いすれば翌年分のリース代もすべて経費計上できます。

社員旅行の実施

目的は福利厚生として、経費に計上することです。社員と一緒に旅行に出かける場合に、旅行期間や参加人数の割合など、条件をクリアすることができれば、福利厚生費として計上できます。

健康診断の実施

健康診断は取り入れている企業は多いですよね。人間ドッグや健康診断を受けることでその費用は福利厚生費として計上することができます。インフルエンザの予防接種なども有効です。

役員報酬を増やす

軌道に乗るまで役員報酬をゼロにしていた人も多いと思います。家族や身内を役員に入れて、所得税のバランスを見ながら全体的な役員報酬を増やすのも王道の1つです。賞与も加えて役員報酬増やし、法人税額を減らしましょう。

別会社を作る

最後は子会社やグループ会社を作るという方法です。新しく会社を作り、軽減税率の適用や消費税の免税などの複数の効果を持たせることができます。経営がうまくいっているのであれば、検討してみましょう。

社会保険料:一人社長なら役員報酬の調整する

社会保険料は報酬に対してかかるものなので、役員報酬を減らすことによって社会保険料の会社負担を減らすことができます。

例えば毎月「役員報酬を100万円」もらっていた場合、健康保険料が97,020円、厚生年金保険料が113,460円となり、合計で210,480円となります。これを1年間で12倍するとなんと「約252万円」になります。

ではここで、年間1200万円という報酬を変えないまま、「役員報酬を5万円」、「賞与を1,140万円」にします。そうすると、役員報酬の健康保険料は5742円、厚生年金保険料は16,104円で合計が21,846円となります。

次に賞与の1,140万円は、健康保険料が567,270円、厚生年金保険料が274,500円となり、報酬5万円のほうの1年間の社会保険料と賞与の社会保険料を合計すると、「約110万円」となります。役員報酬のみ1200万円にしていた時が約252万円なので、なんと半額も安くなりました。

専門家への報酬:スポット契約やWebサービスを活用する

税理士の契約には「顧問契約」と「スポット契約」の2つがあります。顧問契約は毎月の顧問料を支払うことにより、継続的な契約を結ぶことです。顧問契約を交わすと税務に関するその時最適なアドバイスを受けることができ、資金調達の際には同席してくれることもあります。

自分では節税対策を行う必要がないため、本業に専念することができます。スポット契約は必要なときに必要な業務だけ依頼する契約のことです。例えば会社の規模小さく、確定申告の会計帳簿は自分でできるけれど、最終チェックや申告だけはお願いしたいという場合はスポット契約がおすすめです。

ほかにもスポット契約できる内容は以下の通りです。

  • 記帳代行業務
  • 法人税・所得税・消費税・地方税の税務書類の作成及び税務代理
  • 事業承継の相談
  • 法人成りの相談
  • 会社設立サポート
  • 株価評価の算定
  • 相続税・贈与税の税務書類の作成および税務代理

もう1つおすすめするのはWebサービスを利用するという方法です。Webサービスとは顧問契約やスポット契約のように特定の税理士に対して相談をするのではなく、全国の税理士に相談を乗ってもらう方法です。

例えば「税理士ドットコム」は税務の質問に対して、目に留まった税理士が端的ではありますが、アドバイスをくれます。

つまりYahoo知恵袋などの質問箱の税理士専門版です。税理士への相談が無料で使えるというのもおすすめポイントです。

運営コスト:レンタルオフィスを利用する

賃貸オフィスは都内の良い立地だと、月々の支払いが40万~60万円とかなりの高額です。東京都港区にある六本木のビルは月々だけで201万円という物件も多いです。

そこで、従業員の人数にもよりますが、賃料を減らすためにレンタルオフィスに切り替えるという方法もあります。

10人規模のレンタルオフィスはなかなかありませんが、月々20万円などで借りることができ、オフィスビルよりコストを削減することができます。

運営のコスト:消耗品は「まとめ買い」と「共用化」

消耗品なので購入するのは仕方のないことですが、社員が欲しいものばかりを随時注文していたらキリがありません。

オフィス用品専門サイトでまとめ買いをすると、本来1本100円のボールペンが半額で50円で購入できるなどかなり安く購入することができ、みんなとも共有することができます。

事業運営上のコスト:オフィス用品は中古で購入

オフィス用品の検討は大切です。例えば大きなコピー機を購入しようとすると数百万かかってしまいます。

そんな時は「リース契約」を結び、レンタル状態で使うと月々数万円のコストでコピー機を使うことができます。

さらに、初期費用にも当てはまりますが、最近では質の良いオフィス家具なども中古屋安く売っていることがあります。

ほかにも会議で必要なホワイトボードは新品で買うと2万円するものが中古品として5,000円で売られていることがあります。

効率化による人件費コストの削減

近年コロナの影響もあり、在宅勤務を強いられている社員も多いと思いますが、会社側にとっても助かっている部分があります。

例えば光熱費の削減や無料で導入していたドリンクの飲み放題といった福利厚生の節約ができ、打ち合わせもテレワークを採用することによって、社員の交通費や光熱費などが大幅にカットすることができます。

まとめ

今回は会社を長く継続していくために必要な維持費の説明と、節約する方法をご紹介しました。

節税やコストの計算ができていないと、それだけで維持費は年間100万単位でかわってきます。

ポイントは「いかに無駄な経費を落とすか」と「法人税額を減らすための行動をするか」です。どうしても減らすことのできない法人税はしっかりと払い、経費にできる部分はどんどん経費にしていきましょう。

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