作成日:2020.10.26  /  最終更新日:2020.12.11

デラウェア州で会社設立するメリット・デメリットを徹底解説

「デラウェア州で会社設立するメリットを知りたい」

「メリットだけでなくデメリットを理解して法人設立を検討したい」

当記事では、アメリカのデラウェア州で会社設立する際のメリット・デメリットを解説します。

最初にデラウェア州の基本情報を解説した後、具体的なメリットとデメリットについてお伝えしますので、ぜひ内容をおさえて頂ければと思います。

メリットを知れば前向きに海外法人を検討できますし、デメリットが分かればリスクへの対応を考えやすくなるでしょう。

デラウェア州の基本情報

まずは会社設立時に気になるデラウェア州の基本情報からお伝えします。

全米で2番目に小さいデラウェア州は、ワシントンDCとニョーヨークの中間にある州です。歴史も古く、独立宣言後すぐに生まれた州として知られています。

デラウェア州政府は、会社設立の誘致に積極的という特徴があります。

マイクロソフト・マクドナルド・デュポン社のような大手企業だけでなく、ニューヨーク証券取引所の上場企業の過半数がデラウェア州に本社を構えています。

アメリカ国外の企業も、米国市場の拠点としてデラウェアで会社設立することが多く、世界中から注目されている州の1つです。

実際、デラウェア州は会社設立の法整備が確立されていますし、デラウェア州に住んでいなくても優遇措置を受けることができます。

具体的なメリットは後述しますが、たとえばデラウェア州では簡単に会社を設立できますし、日本国内の事業であれば運営コストも抑えられます。

日米租税条約によって日本とアメリカで二重課税される心配もなく、SOHOという形態にも都合が良いという特徴があります。

デラウェア州で会社設立するメリット

デラウェア州で会社設立する具体的なメリットに下記があります。

  • 簡単に会社設立ができる
  • 日本国内の事業であれば運営コストを抑えられる
  • 裁判で企業に有利

1つずつ解説します。

簡単に会社設立ができる

1つ目は「デラウェア州では簡単に会社を設立できる」というメリットです。

デラウェア州には最低資本金が存在しません。

アメリカの他の州では資本金が必要なケースもありますが、デラウェア州は1セント(口座開設が必要なければゼロ円)で法人を設立できます。

資本金だけでなく、「設立時に複数の役員を必要としない」という点も便利です。

デラウェア州では、代表取締役が1人いれば他の役員を兼任できますし、日本から会社設立する場合もアメリカ人を役員に入れる必要はありません。

現地でオフィスを構える必要もないので、日本国内で必要書類を保管し、日本に居ながら会社を設立できます。

中には「資産運用を目的に会社を設立したい、公式な記録を残したくない」というケースもありますが、その場合は代理人による会社設立も認められています。

このように簡単に会社を設立できる、というメリットがデラウェア州にはあります。

日本国内の事業であれば運営コストを抑えられる

2つ目のメリットに「日本国内の事業なら運営コストを抑えられる」があります。

デラウェア州は法人を維持するためのコストが安く、特に日本国内だけで事業を行う場合は登記を維持する税金しかかかりません。

年間50ドル(約5,000円~6,000円)ほどの登記維持税で法人を保てるので、コスト面で優位性があるでしょう。

日本でのみビジネスを行う場合はアメリカで納税する必要はありませんし、米国のみでビジネスを行った場合も二重課税されない仕組みが築かれています。

デラウェア州は有利な法人税制も敷かれていて、付加価値税・売上税・利息・投資所得の州税が免除されています。

相続人が州外で生活していれば、株式の相続税もかかりません。

会社を維持するにはコストがかかるものですが、デラウェア州は低コストで法人運営できるという魅力があります。

裁判で企業に有利

3つ目は「裁判で企業に有利になる」というメリットです。

デラウェアは裁判が確立された州として知られています。全米で最も法制度が確立されているという情報もあります。

州内に多数の法人があるため、会社法に詳しい裁判官も多く、法人側に有利な判決になりやすいことでも知られています。

また、判例の多くが他の裁判所で先例として利用され、全米の模範判例にもなっているそうです。

裁判や判決は不確定な部分も多いですが、デラウェア州は企業にとってビジネス展開しやすい州と言えるでしょう。

デラウェア州で会社設立するデメリット

デラウェア州で会社設立するデメリットについてもお伝えします。具体的には次の3つのデメリットがあります。

  • 融資前提のビジネスに不利
  • 毎年登記手続きが必要
  • 日米両国の売上を同じ決算・納税ができない

融資前提のビジネスに不利

1つ目のデメリットは「融資前提のビジネスに不利」ということです。

デラウェア州で会社を設立すると、日本の公的資金からの借入・融資を利用しづらくなります。

国民金融公庫などの公的な金融機関は、日本法人にのみ融資を行いますので、最初から「融資ありき」で設立を考えている場合は注意してください。

ただし近年は国内の大企業に対しても融資は厳しくなっています。

融資を受けるには事業の将来性・担保・保証人など総合的な審査が行われますし、そもそも金融機関からの融資は返済が必要ですから、最初からアテにするのは避けた方が良いのではないでしょうか。

どうしても融資が必要な場合は、デラウェア州ではなく日本国内で会社を設立し、事業計画・保証人・担保財産を準備して申請を考えると良いでしょう。

毎年登記手続きが必要

2つ目のデメリットは「登記の手続きが毎年必要」ということです。

メリットの項目で解説したように、デラウェア州で会社設立しても資本金は不要ですが、登記の更新料として350ドル(37,000円前後)ほどかかります。

他にも本社住所貸与・行政書類受け渡し・米国申告事務などで費用が発生するので、その点はデメリットと言えるでしょう。

ただし登記の更新はアメリカの全ての会社が行うため、デラウェア州に限ったことではありません。

また日本国内だけで事業を行う場合は維持するための税金が低いという情報もありますので、事前に税理士や会計士のような専門家に相談されてみてはどうでしょうか。

ここではデメリットになり得る要素として、登記の更新についてお伝えしました。

日米両国の売上を同じ決算・納税ができない

最後のデメリットは「日米両国の売上を同じ決算・納税ができない」ということです。

たとえばアメリカ本社と日本支社で売上があれば、どちらか一方で済ませることはできず、両国での決算と納税が必要になります。

二重課税されることはありませんが、アメリカで納税する場合は現地の会計士を頼ることになるのでコストが増えるでしょう。

まとめ

当記事ではデラウェア州で会社設立するメリット・デメリットについて解説しました。

まず基本情報として、デラウェア州は会社設立の誘致に積極的な州として知られています。

日本に居ながら簡単に会社設立できますし、日本国内の事業であれば運営コストを抑えられます。他にも裁判で企業側に有利な判決が多いというメリットもあります。

融資前提のビジネスには不利ですが、毎年登記の更新が必要なのは他の州でも同じですし、日米両国の売上を同じ決算・納税ができないという点も、二重課税されるわけではないので、大きなデメリットとは言えないでしょう。

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