作成日:2020.10.28  /  最終更新日:2020.12.11

【会社設立前に知ろう】官報費用と公告方法の選び方

会社を設立する際に決めなくてはならない事項の1つが「公告の方法」です。「公告」と言われてもなにがなんだか分からない人も多いと思います。

しかし、会社を設立する起業者であれば必ず知っておかなくてはならない大切な知識です。会社が将来大きくなった時や会社をたたむときに避けては通れないのが「公告」です。

今回は公告とはいったい何なのか、公告の方法には種類があるのか、そして費用などについて詳しく解説します。

会社設立時には公告方法を決めないといけない

公告とは簡単に言えば、株式会社の重要な決定事項や決算の内容を公衆に知らせることです。

正式には「法定公告」と呼ばれ、大きく分けて「決算公告」と「決定公告」の2つに分けられています。

例えば決算報告だと、会社法440条にて公告しなければならないと定められています。

会社法440条1項

株式会社は、法務省令で定めるところにより、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表(大会社にあっては、貸借対照表及び損益計算書)を公告しなければならない。

会社を設立する際に、定款に公告の方法を記載するのが一般的ですが、絶対的記載事項ではないため、公告の方法を記載しなくても会社は設立されます。

しかし、定款で定めなかった場合は「官報」にて公告をするとみなされ、登記簿謄本にもそのように記載されます。

公告をする方法当会社の公告は官報に掲載する方法により行う会社法の条文をよく見ると、「株式会社」とあります。実は決算公告が義務付けられているのは株式会社のみで、合同会社のような持分会社には義務付けられていません。

しかし、合同会社でも会社が合併するといった「決定公告」は公告をしなければなりません。

大会社なら「貸借対照表」と「損益計算書」の公告が必要

公告をする際には、添付書類が必要になります。会社法上、株式会社には「大会社」と「大会社以外の会社」の2つがあり、それぞれの会社によって添付書類が異なります。

公告をする際には、添付書類が必要になります。会社法上、株式会社には「大会社」と「大会社以外の会社」の2つがあり、それぞれの会社によって添付書類が異なります。

会社の種類 定義 添付書類
大会社 資本金の額が5億円以上または負債の額が200億円以上である会社 貸借対照表+損益計算書
大会社以外の会社 上記以外の会社すべて 貸借対照表
貸借対照表

会社のプラスの財産(資産)とマイナスの財産(負債)の状態をある一定の時点においてどのくらい存在しているかをまとめた表のことです。「バランスシート」とも呼ばれています。

損益計算書

損益計算書は会社のある一定の期間の間で「どのくらい稼ぎ」、「そのくらい費用を使い」、「利益がどのくらい残っているか」を記載した表のことです。

「債権者保護の観点」で別途公告が必要になるケースも

今までの公告は決算公告の説明でしたが、次はもう1つの公告、「決定公告」の話になります。

株式会社では決算公告が義務付けられていますが、決定公告は会社の重大な決定事項であるため、どんな会社でも必ず行わなければなりません。

決定公告を行わなければならない例として、会社が「合併」するときや会社をたたむ「解散」などがあります。

これらの決定公告の趣旨は「債権者の保護手続き」になります。

例えばB会社がA会社に吸収合併する場合、B会社の経営状態が悪いときは、A会社はB会社という負債を抱えることになり、A会社の債権者は債権を回収できなくなる恐れがあります。

そこで債権者にわかるように公告にて「これからA会社はB会社を吸収合併します。何か問題がある債権者の方は申し出てください」と発表するわけです。

公告を行うタイミング

公告には2種類あると説明しましたが、それぞれ公告を行うタイミングが定められています。

決算公告は先ほどご紹介した会社法440条に定められている通り、決算の承認をした定時株主総会の後に「遅滞なく」公告をしなくてはなりません。

遅滞なくという定義が正直あいまいなところではありますが、多くの場合は1~2か月以内に公告をしています。

決定公告は行う事項によって変わりますが、合併公告の場合は合併の効力発生日の前日から1か月前までに公告を済ませておく必要があります。

公告方法は全部で3種類

公告の方法には大きく分けて「官報」「日刊新聞」「電子公告」に分かれます、それぞれ特徴や費用が異なるので、自分に合った公告方法を選びましょう。

官報とは

普段生活をしているとまず目にしないのが「官報」です。

官報は法律や政令などが改正されたり、破産手続きがあったりしたときに掲載される「国」が発行している新聞のようなものです。

官報はほぼ毎日発行されており、紙の官報とインターネット官報の2つがあります。紙の官報は購読料がかかりますが、インターネット官報の場合は30日間までは無料で購読することが可能です。

法律の試験でも難しいとされる司法試験や司法書士試験の合格者は官報に掲載されます。

日刊新聞とは

官報の次は日刊新聞です。公告を載せる新聞には「時事に関する事項を掲載する日刊の新聞」という条件があります。簡単な例でいえば、「読売新聞」や「朝日新聞」などは時事に関する事項を掲載しているので問題ありませんが、「スポーツ新聞」や「芸能新聞」といった新聞には掲載することができません。

電子公告とは

最近メジャーになっているのが電子公告です。簡単に言えば会社のホームページに載せるだけです。例えば大手のヤフー株式会社のホームページに行くと、電子公告のページがあり、そこで決算期の貸借対照表や損益計算書がPDFとして掲載されています。

公告方法の費用

どの公告にするのかは各企業の自由ですが、それぞれの公告方法は料金が異なります。

官報なら約7万円

官報で公告をする場合は、「枠」で料金が決められます。最低2枠からで、74,331円からになります。こちらで2枠となります。

引用:官報

日刊新聞紙なら10万円~100万円

日刊新聞は新聞の会社の規模によって大きく料金が異なります。

読売新聞 358,600円
朝日新聞 352,000円
毎日新聞 238,000円
日本経済新聞 124,000円
日刊工業新聞 90,300 円

こちらは最低料金となっており、大きな会社になればなるほど、掲載枠が大きくなり、1回の決算公告で100万円近くかかるもあります。

電子公告なら0円でも可能

電子公告は自分の会社のホームページに載せるだけなので、掲載費用はかかりません。しかし、決算公告以外の公告を電子で行う場合は、電子公告調査というものが入ります。こちらの費用が数万円かかることがあります。

債権者保護の観点で公告を行う場合は10万円かかることも

例えば会社を合併するために、債権者保護手続きのための公告を行う場合、合併の内容を記載しなくてはなりません。

記載する文章にもよりますが、大体2枠~3枠を使うため、10万~20万円の公告費用がかかります。

会社設立時は公告方法を官報にしたほうが良い理由

多くの会社が費用の関係で「官報」か「電子公告」を公告の方法にしていますが、その中でも特に「官報」を選択しています。その理由は以下の通りです。

電子公告だと会社の内情が全てバレる

電子公告のデメリットの1つが、貸借対照表の全文を掲載しなければならないという点です。

官報の場合は貸借対照表の要旨のみであるため、電子公告はライバル会社を含め不特定多数に財政情報のすべてがわかってしまいます。

全部公開が必要なく費用も安いのが官報

一番安いと思われがちの電子公告は、決算公告以外の公告を行う場合に電子公告調査というものが入り、その費用が官報より高くなってしまうためです。

「電子公告から官報にしたい」公告方法を変更する方法

電子公告から官報に変更したい場合には、公告の変更登記が必要になります。添付書類は「株主総会議事録」、「株主リスト」となります。会社の変更登記で登録免許税は「3万円」です。

会社設立した企業のほとんどが公告をしていない理由

実は日本にある企業で公告をしていない企業はたくさんあります。本来決算公告は行わなければならず、怠った場合は罰則があります。なぜ公告をしないのでしょうか。

電子公告を選択しつつ公告しない企業が多い

公告をしていない企業が多すぎて取り締まられていないというのが現状です。実際に決算公告を怠って罰則を受けた事例がいまだ存在しません。

大手企業にならば、一般人の目に留まるため、取り締まられる可能性はあるかと思いますが、上場せず、株も公開していない中小企業は公告をしなくても認識されません。

ライバル企業に知られたくない

実際に公告をしなくとも、業務上問題がないということと、他社に経営状況を知られたくない企業が多いことや、費用がかかり手続きが面倒であるという理由があります。

まとめ

今回は公告について解説をしました。決算公告は株式会社であれば必ず行わなくてはならないはずですが、ほぼ行われていないという現状があります。

だからといってやらなくてよいというわけにはなりませんので、今後会社を設立する際に公告の方法を選ばなくてはならない時が来たら、官報か、決定公告を行う予定がないのであれば、電子公告などにして、費用を安くしましょう。

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