作成日:2020.10.30  /  最終更新日:2020.12.11

0円が多い?会社設立を税理士に依頼した際の費用【5社を比較検証】

税理士は「税金」を扱うプロフェッショナルです。税理士の主な仕事は個人や法人の税金を円滑に行うサポートを行ってくれます。

近年では公認会計士のように経営コンサルティングの側面も強くなり、経営に関するアドバイスをしてくれる税理士も増えてきました。

会社設立の段階で税理士と知り合っておくことで、設立後の税金対策や税務署に提出する書類に関する相談がしやすくなります。

今回は会社の設立の手続きを税理士に依頼した場合に、どこまで行うことができるのか、その費用などを詳しく解説していきます。売り上げが伸び、税理士を利用したい人は必見です。

税理士に会社設立した場合の費用相場

税理士の費用相場は以下の通りです。

報酬 0円~5万円

「え?0円?」と不思議に思うかと思いますが、会社の設立の手続きの報酬を0円で行ってくれる税理士は多いです。なぜ0円なのかは後述で詳しく解説します。

企業に対して税理士の立ち位置

まず税理士の企業の中での立場を説明します。

冒頭でも説明した通り、税理士は税金のプロフェッショナルです。税理士が企業に対して行っている主な業務は以下の通りです。

税務代理

法人の代わりに税金の申告を行い、確定申告を行った後の税務調査の立ち合いにも同席し、内容によっては不服申立てを行うことができます。

税務署類作成

確定申告や青色申告承認書、相続税の申告書など、ありとあらゆる税金に関する書類を作成します。税務署だけでなく、社会保険事務所や労働基準監督署への書類も作成することがあります。

税務相談

会社の利益をあげる1つの方法は、税金対策をしっかり対応し、コストを減らすことで、そのために大切なのが節税です。

法律に接触しないように、うまく節税対策を考えてくれたり、税金に関する不明点、トラブルに対しても解決してくれたりします。

税理士が会社設立でできること・できないこと

それでは税理士が会社設立の手続きに関して、どこまでできるのか説明します。

できること

会社設立書類作成

税理士は税金のプロフェッショナルですが、設立書類や登記に関しては詳しくありません。

そのため設立書類を税理士が自らすべて用意するということはなく、多くの場合は提携している司法書士や行政書士にお願いします。

しかし、まったく関係無いわけではなく、税理士は会社設立の段階では主に定款などの書類作成業務を行います。

定款は会社のルールブックであり、会社法などで定められた事項を記載しなくてはなりません。

会社設立の手続きを税理士に依頼した場合は、このような重要な書類の作成をお願いするかどうかで費用が高くなるかどうかが決まります。

各種届出書類作成

会社を設立した後に税務署等に提出しなくてはならない書類がいくつかあります。

例えば会社を設立してまもなく税務署に届出が必要になります。ほかにも 法人は社会保険に必ず入らなくてはならないため、社会保険事務所に書類を提出します。

さらに1人でも雇用すれば、労働基準監督署に書類を提出しなければなりません。

これだけの書類を調べて作るだけでも手間や時間がかかります。税理士はこれらの書類を作成または支援してくれます。

詳しい書類や提出期限などを後述しているので、参考にしてください。

会社経営の資金サポート

設立前に税理士と知り合っておくメリットの1つが資金調達などのサポートです。

会社を設立するときに、資金調達に悩む人は多く、実績がない段階だと金融機関もなかなか資金を貸してくれません。

しかし、ここでお金の専門家である税理士の登場です。一緒に事業計画書を作成して、資金巡りの明確さを確認し、一緒に同席することで説得力が段違いになります。

税務のサポート

税理士のメイン業務はこちらです。税理士は税務処理や会計記帳、決算業務など確定申告の際にとても力になってくれます。

売上が高いときに節税する方法や赤字決算の仕組みなどを詳しく教えてくれます。

できないこと

登記申請代行

登記申請は司法書士の独占業務です。司法書士または弁護士しか登記申請を代理して行うことができません。

会社の設立の手続きを一括して受ける税理士がいた場合は、必ず所属司法書士や提携司法書士に登記申請をお願いしているので、相談する際には司法書士が絡んでいるかどうか確認してください。

許認可申請

許認可申請は行政書士または弁護士しか行うことができません。許認可とは、国や都道府県の許可や届出が必要な業種を行う際に行う申請のことです。例えば家を建てるための建設業や、不動産を売るための宅建業、髪を切るための美容室など、道にあふれているお店の多くは許可や届出を行っています。

余談にはなりますが、実は税理士の資格を取得すると、セットで行政書士の資格がついてきます。

税理士事務所のほかに行政書士事務所という看板が必要で、登録費用もある程度かかりますが、税理士と行政書士の業務は関連性が高いため、ダブルライセンスとして使っている税理士もいます。

そのため行政書士を登録している税理士であれば、許認可申請も行うことができますが、許認可申請は専門性が高いため、基本的には専門の行政書士に任せています。

各税理士事務所の会社設立代行サービスの費用

ここでは実際に税理士事務所の代行サービスの内容と事務所に支払う費用(報酬)を比較してみます。「どんなサービスでいくらかかるのか」といったことがざっくりとイメージしましょう。

『大平税務会計事務所』の費用

大平税務会計事務所は起業支援、組織再編、事業承継、経営計画支援など、幅広い税務・会計業務を行っている東京の税理士事務所です。

メールや電話での相談だけではなく、実際に会って起業相談をすることを重視しており、安心感があります。

定款作成(認証込)  
登記手続書類  
登記申請書類 × 作成及び法務局への提出は自分
顧問契約 必須  
報酬 9,800円  

顧問料

月額 20,000円~

大平税務会計事務所の概要

名前 大平税務会計事務所
代表 大平 清貴
区分 税理士・行政書士
住所 東京都渋谷区代々木2-27-15 高栄ビル1F
電話番号 03-3379-0315

『石割税理士事務所』の費用

石割税理士事務所は毎月先着5名のみ報酬0円で会社設立を行ってくれます。急ぎの場合は最短で1日で申請が完了し、書類の取得代行も行っています。

また、創業融資を受けるための事業計画書を無料で作成してくれるのとてもありがたいサポートです。

定款作成(認証込)  
登記手続書類  
登記申請書類 提携司法書士に依頼
顧問契約 必須  
報酬 0円  

顧問料

月額 10,000円~

石割税理士事務所の概要

名前 石割公認会計士税理士事務所
代表 石割 由紀人
区分 公認会計士・税理士
住所 東京都港区高輪3-25-22 高輪カネオビル6階A
電話番号 03-3442-8004

『蒲生伸幸税理士事務所』の費用

蒲生伸幸税理士事務所は行政書士法人を設立している、会社設立支援のプロフェッショナルです。所長自ら新人研修を行い、従業員の知識向上を高めています。

定款作成(認証込)  
登記手続書類  
登記申請書類 提携司法書士に依頼
顧問契約 任意  
報酬 0円 経理・税務サービスを申込した場合。
申し込まない場合は47,000円
合同会社は29,800円

顧問料

蒲生伸幸税理士事務所の概要

年間 98,000円

蒲生伸幸税理士事務所の概要

名前 蒲生伸幸税理士事務所
代表 蒲生 伸幸
区分 税理士・行政書士
住所 東京都江戸川区東松本1丁目8−10

『山本公認会計士・税理士事務所』の費用

山本公認会計士・税理士事務所は公認会計士も取得していることから、税理士業務だけでなく、経営コンサルも行ってくれます。

また、顧問契約のサービスを1か月間無料で試すことができ、仮に満足いかなかった場合でも2か月間返金保証を行っています。

定款作成(認証込)  
登記手続書類  
登記申請書類 提携司法書士に依頼
顧問契約 任意  
報酬 0円 起業支援プランを申込した場合。
申し込まない場合は50,000円

顧問料

月額 10,000円~
決算料 50,000円~

山本公認会計士・税理士事務所の概要

名前 山本公認会計士・税理士事務所
代表 山本 利浩
区分 公認会計士・税理士
住所 東京都港区南青山1-3-1 パークアクシス青山一丁目タワー1413
電話番号 03-5414-5052

『宮川公認会計士・税理士事務所』の費用

宮川公認会計士・税理士事務所は会計・税務に加えて、事業計画、融資相談、補助金取得支援、クラウド会計対応など様々なサポートをしてくれます。

定款作成(認証込)  
登記手続書類  
登記申請書類 提携司法書士に依頼
顧問契約 任意  
報酬 0円 起業支援プランを申込した場合。
申し込まない場合は60,000円

顧問料

法人(月額) 20,000円~
決算料 100,000円~
個人(月額) 30,000円~
決算料 180,000円~

宮川公認会計士・税理士事務所の概要

名前 宮川公認会計士・税理士事務所
代表 宮川 英之
区分 公認会計士・税理士
住所 福岡:福岡市中央区天神二丁目8-36 天神NKビル8階
北九州:北九州市小倉北区浅野2丁目14―3 3階
電話番号 福岡:092-791-1007
北九州:093-342-7591

税理士が行う会社設立代行サービスの特徴

税理士の会社設立代行サービスの重視する点は「顧問料」と「顧問内容」です。顧問の内容が充実しているか、それに見合った顧問料なのか確認しましょう。

特徴(1):税金の手続きなど会社設立後のサポートが充実

税理士は会社設立後の手続きこそメインの業務となっています。会社を設立した後に提出しなければならない、または提出する必要がある書類は以下の通りです。

税務署

届出書類 添付書類 届出期限
法人設立届出書 ・設立時の貸借対照表
・定款のコピー
・登記簿謄本
・株主等の名簿など
会社設立から2ヶ月以内
青色申告の承認申請   会社設立から3ヶ月経過日と第1期事業年度終了日のいずれか早い日の前日(※最も重要な届出書類です。提出を忘れると節税上不利となる(赤字を繰越せない)可能性があります。)
給与支払事務所等の開設届出書   会社設立から1ヶ月以内
棚卸資産の評価方法の届出書   会社設立後の最初の確定申告期限まで(最終仕入原価法は株式公開上問題となる可能性があります。)
減価償却資産の償却方法の届出書   会社設立後の最初の確定申告期限まで

社会保険事務所

届出書類 添付書類 届出期限・注意
新規適用届
新規適用事業所現況書
預金口座振替納付申出書
<提出>
・登記簿謄本
・賃貸借契約書のコピー(事務所を借りている場合)
<提示>
・出勤簿またはタイムカード
・労働者名簿
・賃金台帳または給与支払明細
・直近1期分の決算書
・税務署に提出した給与支払事務所等の開設届出書(※1)
・源泉所得税の領収書のコピー(※2)
※必要書類はあくまで一例です。各地域で求められる資料が異なる場合があるので所管の社会保険事務所で確認が必要です。
会社設立から5日以内
(※1)税務署に届出した「給与支払事務所等の開設届出書」が必要となります。
社会保険事務所で手続きを行う前に、税務署での手続きを完了して下さい。
(※2)会社設立後日数が経過していて、既に源泉所得税を納付している場合には、「源泉所得税の領収書」のコピーを提示します。
被保険者資格取得届 ・年金手帳 会社設立から5日以内
健康保険被扶養者届
(異動)
・在学証明書や住民税の非課税証明書 会社設立から5日以内

さらに、1人でも労働者を雇用した場合は、強制適用業者として、労働保険に加入するため、労働基準監督署に書類を提出しなくてはなりません。

これだけ見ても結構書類が多く、自分で全部用意するのは結構大変です。すべての税理士事務所がこれらの書類を作成してくれるわけではありませんが、できる限り自分でやらなくてはならない手間を減らしましょう。

会社の設立日は申請を出した日となりますが、登記が完了するまで3日~1週間かかります。

そのため、会社設立の日からというのは登記が完了し、会社登記簿謄本が取得できてから5日以内で問題ありません。

特徴(2):費用だけみると士業のなかで安い(0円が多い)

税理士の費用を見ると、ほかの士業と比べても安いことがわかります。

弁護士 5万~15万円
司法書士 10万~15万円
行政書士 10万~15万円
税理士 0円~5万円

中でも費用が0円にしている事務所が多く、それは後述する「顧問契約」が関係しています。

顧問契約が強制ではなくても費用が安いのは、設立後の税務手続きなどを依頼してくれる人が多いため、設立費用を安く設定しても元が取れるという背景があります。

特徴(3):顧問契約を前提としている

会社を設立すると、必ず税務手続きが必要になります。税理士からすれば会社を設立する皆さんは税理士の見込み客となります。

会社の設立の報酬を0円にしても、2~3か月の顧問料で十分に元が取れてしまうため、このような料金形態にしている税理士事務所が多いです。

起業支援をしている税理士であれば、起業して間もない会社の顧問料を安くしていることがあるので、気になる人は相談してみましょう。

0円に飛びつくのはNG!必要性を踏まえて決めよう

ここまで説明すると「設立費用が0円でいつか税理士が必要になるのであれば、税理士に会社設立を依頼しよう」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。

確かに税理士は味方として心強いですが、まずは設立段階で本当に必要なのかどうか確かめてみましょう。

特に起業してすぐの場合、会計処理はそこまで難しくありません。最近は会計ソフトがとても優秀で、仕分けなども勝手に行ってくれます。

例えば「資金調達」や「税務調査」、「確定申告の方法」など税理士と相談したいことが多い場合は税理士を利用しましょう。

そこまで税理士が必要ない時期に初期費用0円に釣られて顧問契約を結んでしまうと、思わぬ出費で首が回らなくなってしまう可能性があります。

まとめ

税理士は自分で用意するには大変な税務申告や起業当初の資金調達の方法などを教えてくれるプロフェッショナルです。

初期費用を抑えるためだけに会社設立0円の税理士事務所を利用するのはよくありませんが、会社を今後大きくしていくために資金面での様々なサポートを税理士から受けたいのであれば、ぜひ検討してください。

その際は顧問料(決算料を含む)と顧問内容をしっかりと聞いたうえで本当に必要かどうか検討してください。