作成日:2020.11.30  /  最終更新日:2020.12.11

会社設立時に作成する定款とは?内容や意味・目的

会社設立 定款 意味

「定款」の読み方は「ていかん」です。会社設立時に必ず作成するモノで登記する必要もあります。いわゆる、会社として運営していくさいのルールとなる書類のため、重要な役割を担っています。

さて、そんな定款の目的についての説明や作成方法、必要書類、法務局に関するお話、記載事項など、全般的なお話をしていきます。

定款に記載される事項

まずは、定款の記載事項について説明をします。この記載事項をおさえておかないと「いったいどういうモノなのか?」とイメージができないため。大きく3つに分類できるため、順を追って説明をしていきます。

(1)絶対的記載事項

1つ目は、絶対的記載事項です。大層な言い方をしていますが、端的に言えば定款に必ず記載しないといけない事項のことを指します。具体的には、会社を設立するための目的、商号、本店の所在地、発起人の情報、発行可能株式総数などが挙げられます。

一応ではありますが…この絶対的記載事項に関して、すべて網羅できていれば、定款として法務局へ提出することは可能です。

というのも、次に説明する「相対的記載事項」「任意的記載事項」は、絶対に記載をしないといけないモノではないからです。ただ…いずれも大切な内容となっているため、可能な限り記載することをおすすめします。

(2)相対的記載事項

2つ目は、相対的記載事項です。この相対的記載事項は、定款に記載をしなくてもよいとはされています。が、記載をしないと効力として認められないモノになるため、記載することをおすすめします。

具体的には、現物出資をした場合…その内容だったり、株式の譲渡制限だったり、取締役などの任期の伸長、公告の方法が挙げれます。

いずれも「記載をしておかないと、のちのち絶対に大問題に発展してしまう」という項目ばかりです。後ほど、記載事項の注意点としていろいろと記載をするため、その重要度を理解していただければ幸いです。

(3)任意的記載事項

3つ目の任意的記載事項とは、会社として自主的に定款に追加する記載事項のことを指します。

会社のルールとして定義するため、絶対に記載をしないといけないわけではありませんが、強い効力をもたせたいときに役立つ事項です。例えば、事業年度だったり、株主総会に関することだったりが、よく記載されます。

定款の認証

定款の認証とは、公証役場に作成した定款を確認してもらい認めてもらうことです。公証役場とは、いわゆる第三者機関で、公証人と呼ばれる専門的な知識を持っている人がチェックをしてくれる役場となります。

公証役場で確認してもらえるのは「原始定款」です。原始定款とは、会社設立時に作成した定款で、原則、書き換えることができません。また、公証役場にて20年間保管されることになります。

20年経過した場合h、改めて定款を再作成することになるため、頭の片隅に入れておきましょう。

認証が不要な会社もある

定款の認証が必要となるケースと、不要なケースがあります。前者、いわゆる「株式会社」を設立する場合で、後者が「持分会社(合同会社・合資会社・合名会社)」を設立する場合となります。

中には、この定款認証を避けるために合同会社にしたと、1つの判断材料とすることもあるようです。

実質的支配者となるべき者の申告書

2018年11月30日から始まった新しい制度になります。会社設立する場合は、必ず公証役場へ、この申告書を提出する必要があります。

では、この実質的支配者となるべき者の申告書と呼ばれる必要書類とは何なのか?ですが…端的に言えば「不正目的な会社ではありませんよ!」と宣言する書類です。

このように必要書類が増えたわけですが…これは時代の背景が大きく起因しています。というのも、マネーロンダリングなど不正を目的に会社を設立する人間が増えたため致し方がなくといった位置づけです。

詳しく記載すると、それこそ1万文字ぐらいのお話になるため、ここでは避けますが、頭に入れておいてほしいのは「このような必要書類が増えた」ということです。

定款作成の注意事項

続いては、実際に定款を作成するとなった場合の9つの注意事項を順に説明をしていきます。繰り返しになりますが、会社の行く末を占うぐらい重要なモノなので、きっちりと理解をして定款作成をしていきましょう。

商号(会社名)の決め方

基本的には任意のため好きな名前をつけることができます。とはいえ…一定のルールは存在するため、こちらをきっちりと守ってもらえれば結構です。ちなみに、商号を決めるときには、いろいろとコツがあります。

例えば、キャッチーな商号にして覚えやすく親しみやすさを演出したり…商号を見ただけでサービス内容が理解できたりと…。会社経営を左右することは言うまでありませんが、会社の顔となる部分なので、慎重に、そして大胆に決めていきたいところですよね。

商号には株式会社という文字を必ず入れる

株式会社として会社を設立する場合は、会社名に必ず「株式会社」を入れなければなりません。合同会社であれば、同様に会社名に「合同会社」と入れる必要があります。

言わずもがなですが…株式会社や合同会社以外の会社形態も同様です。もう1つ覚えておきたいルールは「前株か?」「後株か?」の2択になることです。

つまり、○○株式会社△△のように会社名で株式会社を挟むような商号はNGとなっています。余談ですが、定款に商号を記載する場合は㈱のような略語は禁止されています。

定款は登記する正規な書類になるため、基本的に、このような略語はNGと認識していただければ結構です。

会社のとある部門を表記することはできない

端的にいえば「部」「課」「支店」のような、とある一部門を表すような文言はNGです。例えば「株式会社○○○○東京支店」のような名前にしたとしましょう。

これを見た人は、大阪支店もあるのかな?と他の地域にも支店があって全国展開をしているような大きな会社と誤解を招いてしまうからです。

商号に使えない文字がある

商号として使える文字は、基本的には、漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・アラビア数字となります。また、一部の記号も使用することができます。

それが「&(アンパサンド)」「・(中点)」「.(ピリオド)」「-(ハイフン)」「’(アポストロフィ)」「,(カンマ)」です。ただし、これらの記号は商号の頭文字、末尾文字としては使用できません。

結果、商号として使えない文字とは、上記で記載した内容以外の文字となります。

運営する会社の業種によって使わないといけない文言がある

銀行であれば、○○銀行。保険会社であれば、○○保険。このように、特定の業種に関しては、その業種がひと目で分かるように商号に含める必要があります。

逆に、まったく関係がない業種にも関わらず「銀行」「保険」のような特定の業種を指すような文言を使用することはできません

公序良俗に抵触するような文言は使えない

常識ある人であれば、何の問題もありませんが…ルールとしてあるので紹介をしておきます。それが「公序良俗に抵触するような文言は使えない」ということです。

犯罪を示唆、わいせつな言葉、暴力的な言葉などはNGとなります。至極当然のことなので、こちらも何も難しい話ではありません。

行う可能性のある事業について

定款には事業内容も記載することになります。そして、記載した目的以外の事業を展開することはできません

例えば、事業内容がアパレル関係のことを記載した状態で、金融商品を扱うような事業は展開できないということです。これを許してしまえば、定款を作成する意味がなくなるため、当然のことと言えるでしょう。

とはいえ、限定的な事業内容だけを記載してしまうと、事業の幅を広げることができないため、前もって、わかっているような事業があれば、積極的に記載してしまいましょう!というのが注意点となります。

書いたからには事業を起こさないといけない!という話ではないので、可能性が少しでもある、やってみたい!のようなレベルでも、積極的に記載をすることがポイントです。

もちろん、定款は修正することができるため、新たに事業を始めるときに追記をしてもよいのですが…いろいろと面倒な手順を踏むことになるため、先に記載しておくことを強くおすすめします。

また定款作成の1つのコツとして…定款の目的の最後に「前各号に附帯、または関連する一切の業務」と記載をしておくことで、新しい業務を始めるときに目的に沿ったものであれば、定款の修正はしなくてOKになります。

本店所在地の書き方

本店所在地は大きく2つの書き方があります。1つが、最小行政区画まで記載する方法。もう1つが、きっちりとすべて記載する方法です。

例えば、東京都新宿区西新宿2-8-1(東京都庁舎の住所です)を本店所在地となったとしましょう。この場合、前者が「東京都新宿区西新宿」と記載し、後者は「東京都新宿区西新宿2-8-1」と記載するわけです。

前者は最小行政区画内で本店所在地が移転した場合、定款を修正する必要がないメリットがあります。反面「きっちりかけない何か悪いことをしている会社では?」と思われることもあり、信頼度の低下を招いてしまうデメリットがあります。

対して後者は、まったくの逆のメリット・デメリットになります。本店所在地が移転した場合、定款を修正する面倒さがありますが、会社の信頼度としては高くなる傾向にあります。

公告方法と費用の違い

株式会社には、事業の年度ごとに、その年の決算を始め、さまざまな会社に関する情報を公にしなければなりません。この公にすることを公告といいますが、大きく2つの方法で告知することが可能です。

1つが、官報とよばれる機関誌で公告する方法で、いわゆる国が管理している機関誌となるため、その信頼度の高さは言うまでもありません。

もう1つの方法が、電子公告です。平たく言えば、インターネットを活用して公告する方法で、自社サイトを製作して、そこに細かい情報を掲載することで義務を果たします

電子公告をする場合は、定款に公告するURLを記載しておく必要があります。前者の官報に掲載は「1行2,854円」で、後者の電子公告は最低5,000円(サーバー代、ドメイン代など)ぐらいの費用となります。

電子公告の方が高く感じるかもしれませんが、自由度が高い情報を掲載することができるため、より世にアピールできるメリットを持っています。

発行できる株式の数

発行する株式は「公開会社」と「非公開会社」の2つに分類することができます。どちらか?で、発行できる株式の数が異なってくるため、別々に説明をしていきましょう。

公開会社は総数の4倍まで

公開会社とは、株式の譲渡制限を設けていない会社のことを指します。この場合は、すでに発行されている株式数の4倍が上限となります。例えば、設立当初に100株を発行した場合、400株までが上限となるわけです。

非公開会社は無制限

非公開会社とは、公開会社とは逆で…すべての株式に譲渡制限を設けている会社となります。

この場合は、上限はなく好きなだけ株式を発行することは可能です。(上限がないとはいえ、もちろん常識的な範囲内で適正な株式を発行する程度に留めることが重要です)

したがって、中小企業では非公開会社として出発することが多いです。

株式の譲渡制限

先の説明で「なぜ、中小企業は非公開会社で譲渡制限を設けるのか?」と気になった人も多いかと思います。理由は、至極単純で「まったく気づかないうちに知らない人の会社になってしまった!」ということを防ぐためです。

というのも、株式は株主が自由に他人に譲ることができるモノです。中小企業の場合、まだまだ会社としての地力がないため、知らない人が多くの株式を取得されてしまうと…会社経営が立ち行かなくなるからです。

これを防ぐために、会社側は「特定の人だけに株式を譲渡できる」と決め事をするわけです。この決め事のことを「株式の譲渡制限に関する事項」といい、必ず定款に記載することをおすすめします。

そうすると…役員の任期を伸ばすことができたり、ちょっとした手続きを簡略ができたりなどのメリットを得ることができます。

節税は事業年度の決め方で高い効果が得られる

会社運営をする場合、納税は義務のため税金を支払っていかないといけませんが…可能な限り節税をしたいところですよね。

その1つの方法として事業年度のスタートさせる月を工夫することが挙げられます。結論は「1年のうちで最も売上が高い月を年度のスタートにする」ことです。

その理由は大きく2つです。余談ですが、もし最も売上が高い月が4月以外だった場合、ちょっとしたメリットを得られます。なぜか?税理士の先生に余裕があるからです。

日本の企業の多くは期末は3月で4月から期首となるため、税理士はとにかく3月は忙しくなり…細かいところまで面倒を見ることができないケースが多くなります

しかし、3月以外で税理士の先生にアドバイスをもらうことができれば、余裕を持って対応をしてくれるため、細かいところまで目を光らせてくれるわけです。

会社側も余裕を持って対応することができるため、意外と大きな効果が期待できます。

経費の調整が容易になる

1つ目のおすすめポイントが「単純に経費を調整しやすい」からです。例えば「今年度は利益が高かったため、さらに顧客を増やすために宣伝費を多くしよう」となった場合、期末に…これを行ってしまうと税務署から目をつけられてしまいます。

理由は単純で「税金逃れをしようとしているのでは?」と思われるからです。しかし、期首で行っておけば、このような余計な心配をせずに経費を調整して経営しやすくなり、結果、節税に繋げやすくなるわけです。

役員報酬の変更が早い段階で可能となる

2つ目は「早い段階で役員報酬の調整ができる」ということです。特に中小企業の場合は、高い効果を得ることができます。というのも、役員報酬は経費の中でも大きな割合を占め、くわえて役員報酬の変更は「期首から3ヶ月以内」とされています。

したがって、期首の売上が多ければ「役員報酬を増やす」、多かったはずなのに少なければ「減らす」といった調整ができることに。その結果、全体的な節税が可能となります。

資本金の適切な額

会社設立をして定款を作成するとき…資本金をいくらにするのか?と非常に悩むことが多いです。適切な額がどれくらいなのか?と明確な目安がないため、致し方がないところではありますが…。

そこで、ここでは、その目安と注意事項を少し触れておきたいと思います。

相場は300万~1,000万円

見出しに結論が書いてありますが…規模にもよりますが、会社設立をする場合は、300万円~1,000万円が一般的な相場となっているため、これを目安にするとよいでしょう。

なぜ、この金額なのか?ですが、半年間は運営できる余裕のある額が、これくらいだからです。会社設立後は、軌道に乗るまで、どうしても利益が出ずに苦しい時期となることも多いです。

ですが…半年後ぐらいから状況が変わり利益も出てくることが多いため、それまで耐えうる資本金と設定するとよいわけですね。

注意事項は「消費税」と「融資」について

資本金を設定した後、同時に2つのことが決定されることになります。1つ目が、消費税が課税されるか?されないか?です。実は、会社設立時の資本金が1,000万円以上だと「消費税が免除される」という特例を受けられないからです。

2つ目が、企業への融資は「自己資本の2倍までしか借りることができない」からです。例えば、資本金が100万円だった場合は、200万円までしか融資を受けることができません。

「返済する力」として資本金は審査対象となるわけですから…当然の上限と言ってよいでしょう。資本金を決めるときには、これらに注意をして決めていくことが大切です。

定款の変更について

会社設立時に定款を作成し登記まで済ませた後…その定款を変更したいというケースは必ず出てきます。ただ、おいそれと変更することはできません。しっかりと手順を踏んで行く必要があります。

ここでは、その手順を簡単に説明をしていきます。まずは、株主総会での特別決議を行います。その後、その行った内容を議事録として残します

定款変更の登記申請をしないといけない場合は、法務局へ届け出が必要です。当然、登録免許税が発生し3万円の支払いをしないといけません。

とりあえずは、この手順を踏むことで変更は可能ではありますが…細かい点で注意することは多く、簡単に変更できるわけではないことは理解しておきましょう。

定款の製本方法

作成した定款は、きっちりと製本をして残しておかなければなりません。製本方法は難しい話ではないため、ここで簡単に説明をしておきますので、ぜひ参考にしてください。

まずは、作成した定款をプリントアウトして、表紙を付けてページ順に注意して重ね、左端を2箇所ホチキスで留めます。最後に、各見開きページの継ぎ目に発起人全員の契印を押します。

これを3冊用意して完了です。発起人が複数人いる場合は、全員の契印が必要なので注意をしてくださいね。

電子定款の場合

定款は、紙ではなく電子データで用意することが可能です。紙で製本した場合…定款認証として収入印紙代の4万円が発生しますが、電子定款の場合は不要になるため安く認証することができます

したがって、昨今は、こちらの電子定款を活用する人も増えてきてはいます。ただし、電子定款をするために揃えていかないといけないモノだったり、手間だったりがかかってしまうことも多いです。

結果、4万円を支払った方が全然お得だった!ということも、よく耳にします。もし電子定款にする場合は、この辺りのリスクを念頭に進めていくことが大切です。

まとめ

定款自体は、それほどボリュームのある書類ではありません。ただ注意するべき点だったり、どんなことを記載しないといけないのか?など、目的はしっかりと理解しておくことが重要です。

冒頭でもお話をしましたが、定款とは会社のルールブックです。このルールブックが変なことを言ってしまえば、会社が立ち行かなくなります。

大変な作業になったり、大きく悩んだりといろいろと障壁はあるかと思いますが、それを乗り越えてしまえば、後はまちにまった会社運営が始まりいます。

何事もスタートが肝心というため、ここで記載した内容を参考にしてもらって、よい定款を作成していただけると幸いです。

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