作成日:2020.07.29  /  最終更新日:2020.12.11

発起設立とは?メリット・デメリット・手続きをカンタン解説

会社を設立しようと考えている人であれば、発起設立という言葉を聞いたことがあると思います。発起設立は新規事業を立ち上げようと考えている起業家が利用する株式会社の設立方法で、手続きがそこまで難しくありません。今回は初めて株式会社を設立したいと考えている人に発起設立とは一体どういうものなのかを分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

発起設立とは

発起設立は発起人が設立時発行株式(株式会社の設立に際して発行する株式のこと)の全部を引き受けて株式会社を設立する方法です。つまり、発起人の資金のみで会社を設立します。

多くの場合は、会社の代表者や役員の人が発起人になっています。

発起人とは?

発起人とは簡単に言えば、「会社を作ろう」と言い出した人です。発起人が会社を作るために定款を作り、登記申請の手続きを行います。発起人の全員が株主になるかどうかは話し合いで決めることになります。

発起設立のメリットは4つ

発起設立のメリットは以下になります。

  • 募集設立に比べて書類が少ない
  • 早く設立することができる
  • 意思決定がスムーズ
  • 出資者全員が現物出資をすることができる

メリット(1)募集設立に比べて書類が少ない

発起設立は発起人以外の第三者が関与しないので、募集設立のように創立総会議事録や募集株式に関する書類などを用意する必要がありません。
登記手続きにかかる書類が少なく、手軽に登記を申請することができます。

メリット(2)早く設立することができる

発起設立は第三者に株式を割り当てる必要がなく、その手続きに必要な時間がかからないため、早く設立することができます。書類や実印など必要なものがあれば数日で設立することができます。

メリット(3)意思決定がスムーズ

募集設立の場合は、第三者が株主になるため、取締役などの役員の決定やその他の会社運営にかかる取り決めに関与します。発起設立は発起人のみが株主になるので、第三者を介さず意思決定を行うことができます。

メリット(4)出資者全員が現物出資をすることができる

株式の引受けは本来であれば、1株あたりの値段に相当する金銭を払込みますが、発起人は「物」でも出資することができます。これを「現物出資」といいます。

例えば会社を設立する際に100株を100万円として発行しようと思った場合、自分の車を資金として出資をすることができます。出資者全員が発起人である発起設立はすべて現物出資をすることが可能ですが、募集設立の第三者には認められていません。

発起設立のデメリットは2つ

発起設立のデメリットは以下になります。

  • 資本金が少ない可能性がある
  • 発起人が多い場合、手間がかかる

発起設立のデメリット(1)資本金が少ない可能性がある

第三者から資金を調達することができないので、設立時の資金は発起人の自己資金から運営していくことになります。 設立して間もない会社が資本金が少ないのは問題ありません。

しかし、あまりに少ない資本金だと、取引先や銀行からペーパーカンパニーと判断され、取引中止や融資を受けられなくなる可能性があります。

※設立当初は50万円~100万円にする会社が多いです。

発起設立のデメリット(2)発起人が多い場合、手間がかかる

株式会社の設立には発起人の印鑑証明書や実印が必要になります。めったにありませんが、発起人が20人いる場合でも、当然全員の印鑑証明書を準備する必要があります。

発起人が遠方にいる場合には、郵送などで実印の押印をしてもらうため、手間がかかります。

発起設立で必要になる書類

発起設立は募集設立に比べて書類が少ないです。しかし、会社を作ったことがない人は書類そのものが難しく感じると思いますので、簡単に説明します。

また、書類に対して、必要な印鑑も付け加えておきますので、照らし合わせてください。書類や印鑑を間違えると設立の登記ができなくなってしまうので、注意しましょう。

必要書類(1)定款

株式会社の設立手続きは発起人による定款の作成に始まります。定款とは、会社の組織や活動に関する根本規則をいい、会社内でのルールブックのようなものです。最初に作る定款のことを「原子定款」いい、公証役場で公証人による認証が必要となります。

定款の記載事項は以下の3つに分かれます。

絶対的記載事項 法律上必ず記載しなくてはならない事項
相対的記載事項 定款に記載がある場合に効力が発生する
任意的記載事項 社内規定にとどまる規定

絶対的記載事項が含まれている定款のテンプレートには、ほかの事項も最低限盛り込まれているので、特に重要な絶対的記載事項を説明します。

絶対的記載事項とは

絶対的記載事項とは、株式会社を設立する際に定款に必ず記載しておかなくてはならない事項のことをいいます。1つでも抜けていると株式会社を設立することができません。

絶対的必要事項は6つ

  • (1)商号
  • (2)目的
  • (3)本店所在地
  • (4)設立に際して出資される財産の価格
  • (5)発起人の氏名又は名称及び住所
  • (6)発行可能株式総数(※)

(※)発行可能株式総数は会社法に定められた絶対的記載事項ではありませんが、原子定款に記載がなかった場合には、設立登記までに追記する必要があります。

必要な印鑑:発起人全員の実印

必要書類(2)発起人の過半数の一致又は全員の同意があったことを証する書面

実務では「発起人決定書」ともいいますが、定款に以下の事項を記載していなかった場合に必要となります。

  • 発起人が設立時(代表)取締役、設立時会計参与、設立時監査役について
  • 発起人が設立時の本店又は支店の所在場所、株主名簿管理人を定めた場合
  • 設立時発行株式総数やその他株式に関する事項

必要な印鑑:発起人全員の実印

必要書類(3)就任承諾書

役員を決めた後はそれぞれが本当に就任する意思があるのか確認が必要です。意思の担保をとるために就任承諾書に署名又は記名及び実印の押印が必要になります。

※発起人と設立時取締役が同一である場合に、定款で直接定めていれば、就任承諾書は不要になります。

必要な印鑑:役員となる人の実印

必要書類(4)印鑑証明書

発起人の印鑑証明書に加えて、取締役会を設置する場合は代表取締役の印鑑証明書、取締役会を設置しない場合は取締役全員の印鑑証明書が必要になります。重複する印鑑証明書は1通で問題ありません。

必要書類(5)本人確認証明書

本人確認証明書は住民票や運転免許証のことです。監査役等など(5)で印鑑証明書を用意していない人はこちらの本人確認証明書が必要になります。

必要書類(6)払込みがあったことを証する書面

払込みがあったことを証する書面とは、発起人が株式の割当てを受ける際に支払う金銭を証明するものです。こちらの書面はいろいろな種類がありますが、一番簡単なものは、以下の3つの書類を合綴し、会社の実印で割印をしたものになります。

  • 発起人が作成した払込みを証する書面
  • 銀行口座の通帳の表紙(見開き)と次のページの一面のコピー
  • 代表者の口座に振り込みを行い、資本金と同一の金額がわかるページのコピー

必要な印鑑:会社の実印

必要書類(7)印鑑届出書及び印鑑カード交付申請書

会社の実印の登録と会社の印鑑証明書を取得するための印鑑カードを交付してもらうための書類です。

必要な印鑑:会社の実印および代表取締役の実印

必要書類(8)登記申請書

法務局に申請する際に、必要となる申請書です。法務局のホームページにテンプレートがあるので、そちらを利用しましょう。

発起設立の手続きの流れ

発起設立に必要な書類が分かったところで、次は株式会社を設立するまでの手順を説明します。流れに沿ってそれぞれの書類などを準備しましょう。

手続き(1)発起人の決定

まず会社を作るメンバーの中で発起人として株主となる人、ならない人を決めます。株主となる人は株式に応じて出資金が必要となります。
発起人が決まったら以下のことを決めておきましょう。事前に紙にメモしておくと便利です。これらは定款に記載するので、作成前に発起人全員で決めておくと楽になります。

  • 商号(株式会社●●又は●●株式会社)
  • 目的(会社がどんなことをするか、将来的に行う可能性がある業を全て記載します)
  • 本店所在地
  • 資本金の額
  • 発行可能株式総数及び1株当たりの金額

株式を最大いくつまで発行するかを決めます。後で変えることができますが、テンプレートの1000株や10000株で問題ありません。次に資本金の額から1株当たりの金額を決めます。仮に資本金を100万円、100株発行する予定であれば、1株当たり1万円となります。

手続き(2)会社の印鑑を作る

発起人同士で商号を決めたら会社の実印を作ります。インターネットで申し込めば会社実印・銀行印・角印・社判などが数日で作ることが可能なので申し込みましょう。

費用は大体1万円~2万円ほどです。

手続き(3)定款の作成

次に会社のルールブックである定款を(1)で決めた内容通りに作成していきます。

専門家に依頼すると、定款のテンプレートを用意してくれますが、今ではインターネットでも多く公開されているので、どちらを利用しても構いません。

手続き(4)定款の認証

定款が出来上がったら公証役場に行き、公証人の認証を受けます。自宅から近い場所やどこでも良いというわけではなく、株式会社の本店所在地の管轄になります。

定款認証は紙で行う場合と、電子で行う場合があり、紙で行う場合は印紙代として4万円が別途かかります。定款認証代は大体5万円ほどかかります。

※いきなり定款を持って公証役場に行く人がいますが、円滑に認証を行うため、事前に電話やメールで予約を行ってください。その際にメールやFAXで定款案を送ると公証人が添削をしてくれます。

手続き(5)出資(資本金の払込)

定款が出来上がったら、定款に記載した資本金の額を同じになるように、出資金を発起人や代表取締役の口座に振り込みましょう。
※(重要)必ず「定款認証日の後」に振り込んでください。定款認証前に振り込んでしまう人が多く、再度引き出して振り込みをし直すというケースがあります。
振込日と定款認証日を逆にしてしまうと会社の登記が通りませんので注意してください。

手続き(6)書類の署名や押印

定款も出来上がり、各書類が準備できれば、発起人や役員に就任する人の署名や実印の押印を行います。この時点で役員として就任したことになります。

手続き(7)設立登記

書類がすべて整えば、株式会社の所在地管轄の法務局に登記申請を行います。登記申請に必要な費用は15万円です。法務局の中にある印紙売り場で収入印紙を購入し、申請書に貼り付けてください。登記申請は大体10日から14日で完了します。

まとめ

発起設立は株式会社を設立しようと考えている多くの人が選ぶ設立方法です。発起人の一存で決めることができ、スピーディに行うことができるのが特徴です。今回は発起設立に必要な書類と株式会社を作るまでの手順と方法をご紹介しました。自分で準備できるかどうかを考え、時間がない場合や手続きが難しいと感じた場合は専門家に相談してみましょう。

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