「沖縄で会社を設立するメリットってあるの?」と思っている方向けの記事です。
観光地として人気が高い沖縄ですが、会社設立によるメリットが5つあります。
特に魅力的なのは税制上のメリットです。沖縄の経済特区で会社設立することにより、法人所得税などの控除が期待できます。
他にも、沖縄はアジアの主要国に近いですし、「Made in Japan」の製品や人材採用に関しても優位性があります。
そのような沖縄で会社設立するメリットについて、ひとつひとつ具体的に見ていきます。
この記事を読むことで、実際にどのようなメリットを享受できるかが分かります。
目次
沖縄で会社設立するメリット:税制上の優遇を得られる
沖縄は観光地として有名ですが、実は5つの経済特区が作られています。
経済特区で会社を設立して事業を行うことで、税制上の優遇を得られる可能性があります。
具体的には、法人所得40%控除、設備投資を促す税制上の優遇措置などのメリットです。
5つの経済特区の特徴と対象事業
沖縄の経済特区は次の5つです。
- 国際物流拠点産業集積地域
- 情報通信産業振興地域
- 経済金融活性化特別地区
- 産業イノベーション地域
- 観光地形成促進地域
このような経済特区を利用すれば、ビジネスを有利に進められますので、それぞれの特徴と対象事業を見ていきましょう。
国際物流拠点産業集積地域
沖縄振興特別措置法によって創設された経済特区です。
対象地域は那覇・浦添・豊見城・宜野湾・糸満地区、うるま・沖縄地区(中城湾港新港地区)です。
同地域において税の優遇措置や沖縄振興開発金融公庫の低利融資を受けることができます。
情報通信産業振興地域
沖縄振興特別措置法によって創設された制度です。
対象地域は那覇市・宜野湾市・石垣市・浦添市・名護市・糸満市・沖縄市・豊見城市・うるま市・宮古島市など24の市町村です。
同地域で活動する情報通信関連企業が要件を満たせば、税の優遇措置を受けることができます。
経済金融活性化特別地区
沖縄の経済金融の活性化のために拡充された制度です。
対象地域は名護市、対象産業は金融関連産業・情報通信関連産業・観光関連産業・農業・水産養殖業・製造業などです。
同地域で対象産業が要件を満たせば、税の優遇措置を受けることができます。
産業イノベーション地域
沖縄振興特別措置法の改正によって創設された制度です。
対象地域は県内全域、対象資産は機械装置および器具備品、対象業種は製造業・こん包業・倉庫業・卸売業などです。
要件を満たせば税の優遇措置を受けることができます。
観光地形成促進地域
沖縄振興特別措置法をベースに観光地形成促進計画によって定められた制度です。
対象地域は沖縄県全域、対象施設はスポーツレクリエーション施設・教養文化施設・休養施設・集会施設・販売施設です。
同地域で要件を満たせば、税の優遇措置を受けることができます。
国税・関税・地方税の優遇措置
経済特区で受けられる一般的な税の優遇措置について解説します。
国税の優遇措置
国税の優遇措置には所得控除制度・投資税額控除・特別償却があります。
所得控除制度は法人所得税の控除です。国際物流拠点産業集積地域の場合は40%の控除を受けられます。
投資税額控除と特別償却は、設備の新増設をした場合の控除と償却です。機械および装置などの一定割合が法人税額から控除、および償却されます。
関税の優遇措置
関税の優遇措置には、選択制の適用と保税地域許可手数料の軽減があります。
選択制の適用は、原料と製品に対する課税のどちらかを選択できる制度で、保税地域許可手数料の軽減は、保税蔵置場・保税工場などの手数料が半減される制度です。
地方税の優遇措置
地方税の優遇措置には、法人事業税・不動産取得税・固定資産税・事業所税の課税免除があります。
指定地域内で設備の新増設をした場合、一定の要件を満たすことで免除されます。
沖縄で会社設立するメリット:アジア20億人のマーケットを狙える
沖縄で会社設立を行えば、アジア20億人のマーケットを狙うことができます。
国内だけでなく、ソウル・香港・台北・マニラのようなアジアの主要都市に4時間以内でアクセスが可能です。
アジアのハブ的な国にシンガポールがありますが、沖縄もまたハブとしての役割を担っているのではないでしょうか。
シンガポールのような海外で会社設立するのはハードルが高くても、沖縄は日本国内ですから、手続き的にも費用的にも設立しやすいと思います。
実際、那覇空港の国際貨物取扱量は国内4位と伸びていますので、沖縄で会社設立することで、アジアをターゲットに据えたビジネス展開が可能になるでしょう。
沖縄で会社設立するメリット:「Made in Japan」で付加価値をつけられる
法令に基づいて沖縄で製品を製造することにより、「Made in Japan」の付加価値が期待できます。
付加価値=「日本製」という信頼
「Made in Japan」は日本製という付加価値に繋がります。
日本製品は信頼性が高いという背景があるので、「Made in Japan」の取得によって競争力に強みを得られるでしょう。
低コストな海外で製造できない分、人件費などが上乗せされて製品価格は高くなるかもしれませんが、それ以上にブランド力強化が期待できるのはメリットです。
アジアの主要都市に「Made in Japan」の製品を流通することができれば、販売促進も容易ではないでしょうか。
自由貿易協定制度も利用できる
日本原産地証明を取得すれば、自由貿易協定制度を利用できる可能性があります。その場合、メリットある関税条件で海外への輸出が期待できます。
沖縄で会社設立するメリット:同時被災のリスクを軽減できる
同時被災のリスクを軽減できるのも沖縄で会社を設立するメリットです。
日本は震災の多い国ですが、沖縄は本土から離れているため、同時被災の危険は低いでしょう。たとえば北海道や関東で地震があっても、沖縄への影響は薄いはずです。
そのようなリスクを軽減できるのもメリットの1つに数えられます。
沖縄で会社設立するメリット:有能な若い人材を獲得しやすい
沖縄県は若年者人口の比率が日本一となっています。
日本全体では高齢化が進行していますが、今後も若い人材に期待できるのが沖縄ですし、特に工業系の人材が多数輩出されているという背景があります。
そのため、沖縄で会社を設立することで、若くて有能な人材を採用しやすいでしょう。
35歳未満の新規雇用で最大120万円の助成制度があるというのもメリットです。
まとめ
この記事では、沖縄で会社設立するメリットについて解説しました。
沖縄の5つの経済特区で一定要件を満たせば、法人所得税の控除などの優遇を受けられます。国税だけでなく、関税・地方税の優遇措置を受けられるのも魅力です。
他にも沖縄はアジアの主要都市から近く、20億人のマーケットを狙えますし、「Made in Japan」の付加価値と自由貿易協定制度を利用できれば、国際的な優位性も期待できるでしょう。
日本本土から遠いので震災が起こっても同時被災のリスクを軽減できますし、工業系の学校を卒業した若年者人口が多いため、若くて優秀な人材を獲得しやすい、というのもメリットです。
このように沖縄県で会社設立するメリットは多いので、候補地の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。