作成日:2020.10.16  /  最終更新日:2020.12.11

会社設立前に知るべき社会保険の話【3つのQ&Aでカンタン理解】

会社設立に伴って社会保険について知る必要があります。

でも、どんな社会保険に入る必要があるの? と思われるのではないでしょうか。

そこで当記事では、会社設立に伴って加入が必要な社会保険について解説していきます。

社会保険に関する知識がほとんどなくても、分かりやすく説明していきますね。

当記事を読むことで、社会保険の種類・加入時期と手続き・保険料の3点が分かります。

特に社会保険料に関しては、モデルケースでご説明しますので、ぜひおさえて頂ければと思います。

早速見ていきましょう。

何に入るの?会社設立後に入る社会保険の種類

会社設立後に加入が必要な社会保険には次の5種類があります。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 労災保険
  • 雇用保険

まずはそれぞれの役割について見ていきましょう。

「健康保険」の役割

健康保険の役割は、加入者が病院に通院や入院したり、薬局で薬代を支払うときの自己負担額の軽減です。通常、義務教育後から70歳までの加入者は3割負担で済みます。

「厚生年金保険」の役割

厚生年金保険の役割は、国民年金の上乗せです。障害や老齢時に加入者に対して一時金や年金が支給されます。

「介護保険」の役割

介護保険の役割は、介護が必要な方に対する費用の給付です。

「労災保険」の役割

労災保険の役割は、業務中や通勤中に起きた怪我や病気に対する保障です。

「雇用保険」の役割

雇用保険の役割は、失業時や出産・育児で働けなくなった際の保障です。

いつから入る?社会保険の加入時期と手続き

各社会保険の役割について解説しましたが、次に知りたいのは「加入時期」と「手続き」ではないでしょうか。

2つ目のQ&Aとしてご説明します。

「健康保険・厚生年金保険・介護保険」は5日以内

健康保険・厚生年金保険・介護保険は、法人設立から5日以内に加入の手続きを行います。
書類の提出先は年金事務所です。

健康保険・厚生年金保険・介護保険」の必要書類

準備する提出書類は以下の4つです

  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
  • 健康保険被扶養者(異動)届
  • 国民年金第3号被保険者届

添付書類は以下の3つです

  • 登記簿謄本の原本(提出日から90日以内のもの)
  • 保険料の口座振替依頼書
  • 事務所の賃貸借契約書のコピー

提示書類は以下の4つです

  • 出勤簿(タイムカード)
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 源泉所得税の領収書

※年金事務所によって必要書類が異なることがあるので、提出前に確認しましょう。

「労災保険」は雇用契約後10日以内

労災保険は、労働者を雇用してから10日以内に加入の手続きを行います。提出先は労働基準監督署(または都道府県労働局や日本銀行)です。

「労災保険」の手続き

準備する書類は下記のとおりです。

提出書類 ・保険関係成立届(雇用から10日以内に労働基準監督署に提出)
・概算保険料申告書(労働基準監督署 or 都道府県労働局 or 日本銀行へ提出)

「雇用保険」は社員を迎え入れた翌月10日まで

雇用保険は、対象労働者を雇用した月の翌月10日までに加入の手続きを行います。提出先はハローワークです。

「雇用保険」の手続き

提出書類 雇用保険被保険者資格取得届(雇用月の翌月10日までにハローワークに提出)
添付書類 ・登記簿謄本の原本(提出日から90日以内のもの)・労働者名簿・賃金台帳・出勤簿(タイムカード)・労働保険関係成立届の控え

一体いくら?社会保険料の計算方法

役割と手続きについてお伝えしましたが、社会保険料の計算方法が気になるのではないでしょうか。

3つ目のQ&Aとして「社会保険料は一体いくらかかるのか?」をご説明します。

大前提:社会保険料は収入によって決まる

まず大前提として、社会保険料はどの会社も一律ではありません。雇用する従業員の収入や、業種によって変わります。

「健康保険」と「介護保険」はけんぽや組合の料額表で決まる

健康保険と介護保険は、協会けんぽ(全国健康保険協会)や組合(組合健保)によって変わります。

基本的に中小企業が加入するのは協会けんぽで、大企業が自前で設立して加入するのが組合健保です。

日本の大多数が中小企業ですし、法人設立後に加入するのも協会けんぽになるでしょう。

協会けんぽの料額は都道府県によっても変わりますが、共通しているのは保険料を会社と従業員で折半するということです。

たとえば東京都の保険料(令和2年9月分から)は、介護保険2号被保険者に該当しない場合で9.87%、該当する場合で11.66%となっています。

その料率を加入従業員の標準報酬月額に掛けた後、半分を会社が負担します。

「厚生年金保険」は全国一律の保険料額表で決まる

厚生年金保険料も加入従業員と会社で折半しますが、料率は全国一律です。令和2年9月分からの料率は18.300%となっています。

「労災保険」は業種によって変わる

労災保険料は全額会社負担で、業種によって料率は異なります。

基本的に危険度が高い業種(金属鉱業・木材伐出業・水力発電施設など)は料率が高く、危険度が低い業種(金融業・通信業など)は料率が低くなっています。

一般的な「その他の各業種」の保険料率は1000分の3です。

「雇用保険」も業種によって変わる

雇用保険料も業種によって保険料は異なります。ただし労災保険料と違って、労働者負担分と事業主負担分で分かれます。

たとえば建設の事業は労働者負担分が1000分の4、事業主負担分が1000分の8です(平成31年度)。

一般の事業に関しては、労働者負担分が1000分の3、事業主負担分が1000分の6となっています。

月給20万円の社員を一人雇った場合の社会保険料

最後にモデルケースとして、月給20万円の社員を雇用した場合にかかる社会保険料をお伝えします。
年間でいくら掛かるかをざっくりご説明していきますので参考にしてください。

想定ターゲット

  • 東京都在住
  • 月給20万円
  • 40歳以下(介護保険対象外)
  • 健康保険は協会けんぽ
  • 労災保険はその他の各種事業
  • 雇用保険は一般業種

想定ターゲットの年間の社会保険料(会社負担分)は359,640円となります。内訳は下記のとおりです。

社会保険料の内訳

健康保険(料率は9.87%) 9,870円×12=118,440円
厚生年金保険(料率は18.300%) 18,300円×12=219,600円
労災保険(料率は1,000分の3) 600円×12=7,200円
雇用保険(料率は1,000分の6) 1,200円×12=14,400円

合計=359,640円

このケースでは、年間359,640円を社会保険料として納めることになります。

まとめ

当記事では、会社設立に伴う社会保険について解説しました。

会社設立後に入る社会保険には、健康保険・厚生年金保険・介護保険・労災保険・雇用保険の5種類があります。

加入時期と手続きはそれぞれ異なりますが、早期の手続きが必要なのは健康保険・厚生年金保険・介護保険です。

労災保険・雇用保険に関しては、従業員を雇用してからの手続きとなります。

社会保険料の計算もそれぞれで異なりますが、負担が大きいのは健康保険・介護保険・。厚生年金保険でしょうか。

従業員と折半しますが、労災保険や雇用保険よりも負担は重くなるでしょう。

いずれにしても会社設立によって社会保険に加入する義務が生じますので、忘れずに手続きを行いましょう。

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