作成日:2021.03.07  /  最終更新日:2021.03.05

ハワイの会社設立にかかる費用・必要書類を徹底解説

ハワイは観光業が盛んなアメリカの州です。ハワイに訪れる観光客は毎年増加しており、2019年には史上初の1000万人を超えています。

州の総生産は約580憶ドル(約5兆円)と州の中ではさほど高くはないもの、増え続ける観光客によって好景気が保たれています。

またハワイは州の至るところに軍事基地があることから軍とその関連産業への経済効果も大きく、急速に経済が悪化する恐れが少ないという利点があります。

しかしハワイでビジネスを展開したいと思っても何から始めればいいかがわからないかと思いますので、ここでハワイに会社設立をする際にかかる費用についてご紹介します。

設立によるメリットについてもお教えしますので、ハワイで仕事がしたい方はぜひ参考にしてください。

ハワイで設立する会社形態は主に2つ

まずハワイには以下の会社形態があります。

  • C-Corporaion
  • LLC
  • LLP
  • LP
  • GP

この中でも多くの日本人が会社を設立するために選ぶのが「C-Corporaion」「LLC」の2つです。今回はこの2つを中心に解説します。

C-Corporaion(株式会社)

C-Corporaionは一番メジャーな会社で、日本でいう株式会社のことです。株式を発行し、株主が出資の限度で有限責任を負う法人です。解散をしない限り、会社は永久に存続します。

機関は以下の4つで、1人がすべて兼任できるため、実質1人で設立することができます。

  • President・・・ 社長
  • Vice President ・・・副社長
  • Treasurer ・・・監査役
  • Secretary ・・・秘書役

最低資本金は1ドル(約100円)ですが、ハワイで法人口座を作る予定であれば、会社の信用性を高めるために、500~1000ドルほど用意してあるほうが望ましいです。

LLC(有限責任会社)

LLCは近年できた会社形態で、仕組みは株式会社の小規模版と思ってください。株式会社と異なり、株という概念がないため、株主に該当するのは「オーナー」でLLCの100%を有している。という考え方になります。

設立するのがとても簡単で、DCCA(ハワイ州法務局)に直接出向くほかに、DCCAのホームページからオンラインで作ることができます。

 

ハワイで会社設立をするための手順

ハワイで会社を設立すると思っても、どんな手順を踏んでビジネスを立ち上げればいいのかがわからないという方も多いと思います。まずは会社を設立するまでの流れについてご紹介します。

LLCは上記で説明した通り、DCCAのホームページから登録可能であるため、C-Corporaionを設立する場合の説明をします。

需要を調べるための市場調査を行う

まずはハワイにて市場調査を行いましょう。現地に出向いてどんな会社が設立されているかを実際に確認します。

市場調査を行えばハワイで需要がある業種を知ることが可能です。需要がある業種を選択することで高い利益が期待できます。

ハワイは多くの国々から観光客が来る場所なので、幅広いターゲットに適した業種を見つけましょう。

会社名を決める

まずは設立したい会社名を決めましょう。会社名の末尾には「Inc.」、「Corp.」、「Corporation」、「Co.,Ltd.」、「Limited」のどれか1つをつける必要があります。

ハワイ州の中ですでに類似している会社名がないかハワイ州商務省のホームページから確認することができます。

オフィスを内覧して本社所在地を決める

経営を行っていくオフィスを借りるには現地に出向いて実際に見ておく必要があります。

どんな場所のオフィスを選ぶのかだけでなく、オフィス内の広さや使いやすさについてもしっかり確認しておきましょう。

ハワイのオフィスは契約期間が2~3年と短めです。この契約期間は交渉次第で伸ばすこともできるため、長期的なビジネスを考えている場合は交渉で期間を長くしてもらいましょう。

中には設立登記を依頼した弁護士・公認会計士事務所の中に住所を貸してくれることもあります。

法人を設立する

会社名や事業内容が決まったら次は法人を設立します。ハワイは手続き費用が6,000円と比較的安く、手続き内容も簡単に済みます。

ただし知識がなければやはり手続きが難航するため、弁護士などの専門家に依頼することが一般的となっています。手続きを不備なく済ませたい方はプロに依頼しましょう。

C-Corporaionの会社設立の必要書類は原則「会社定款」「付属定款」の2つです。

  • 基本定款・・・日本でいう登記簿謄本のようなもの。会社の情報を載せる
  • 付属定款(法人規制)・・・日本でいう定款のようなもの

ハワイ州商務省に必要書類を提出し会社登記が完了すると「コーポレートキット」が届きます。こちらは設立した会社の登記簿謄本・定款・議事録など、会社に関する情報が入っています。

ライセンスの取得と銀行口座の開設をする

法人を設立したら営業許可を得るため、ビジネスライセンスを取得しましょう。ビジネスライセンスは州の税務局にて申請・取得ができます。

また同時にハワイの銀行口座も開設しておきましょう。ハワイでビジネスをしていくのであれば現地の銀行口座が必要ですが、銀行には日本語を話せる行員がいるため、英語を話せなくても開設できます。

ビザの申請を行う

ハワイで就労を行うにはビザの申請が必須です。起業によって習得できるビザには「投資家ビザ」「駐在員ビザ」の2つがあります。

投資家ビザの条件は①ハワイに最低20万ドル(約2000万円)以上の投資をしていること、②現地の従業員を複数雇用していること、③収益のあるビジネスモデルがあることが条件です。

駐在員ビザは日本の会社に重役として在籍しており、アメリカの関連会社に駐在する場合に発効されるビザです。

人材の確保

オフィスを借りることができたら人材の確保を行います。前述したようにハワイは日本人が非常に多いため、日本人を雇用することも可能です。

英語でのコミュニケーションができるのであれば国籍を問う必要はありませんが、英語が不安な方は日本人を積極的に採用しましょう。

ビジネスを成功させるには社員とのコミュニケーションが必要不可欠です。特に立ち上げ時は話すことが大切なので、円滑にコミュニケーションが取れる人材を確保しましょう。

 

ハワイで会社設立をする際にかかる費用

ハワイで会社を設立する際は資本金やビジネスライセンスの取得費用、法人登記費用などがかかります。

アメリカでの会社設立時の資本金は1ドル(約103円)から可能です。

しかし、州によっては1,000ドル(約10万3,000円)を用意する必要があるため注意しましょう。

ビジネスライセンスの取得費用は約100ドル(1万円ほど)です。業種によってライセンスが異なり、費用も変わります。

法人登記の費用は1,000~1,500ドル(約10万3,000円~15万4,000円)です。州によって費用が異なりますので、登記の際は多めに用意しておきましょう。

 

会社設立後もかかる費用を理解しよう

ハワイの会社は毎年会社の資本金や役員の情報をハワイ州登記所に報告しなくてはなりません。報告の時期はあらかじめ決めておいた事業年度期間です。

申請料は15ドル(1500円)ほどで、万が一3年間放置していると、法人登記を抹消してしまいますので気を付けましょう。

まとめ

ハワイは国外であるにもかかわらず、日本人が非常に多い場所です。

9時間程度でハワイまで行けるので、市場調査などに出向きやすいこともポイントとなっています。

国外でのビジネスは英語が主となるため、英語でのコミュニケーションは欠かせません。しかし日本人が多く、日本語を理解する人が多いハワイでならすぐに英語を話せるようになる必要もないでしょう。

国外での会社設立を考えているけれど、できるだけ日本に親しみのある場所が良いと考える方にハワイは最適です。住みやすい場所で気軽にビジネスを始められます。