作成日:2020.12.14  /  最終更新日:2020.12.28

中国の会社設立にかかる費用・必要書類を徹底解説

アジア諸国の中でも、中国の経済成長はめざましい物があります。中国に進出し、会社設立を考えている人も少なくないかと思います。

一方で、新型コロナウイルスの影響も、2020年11月時点では世界的に色濃く残っています。

中国国内では影響が大分抑えられているものの、「アジア圏で新型コロナウイルスが落ち着いてから進出しよう」と考える経営者の方もおられるかと思います。

当記事では、中国で会社設立する場合の費用、手続き、資本金など、中国進出における基本的なデータをまとめ、かみ砕いて説明します。

なお、コロナウイルス発生を踏まえた最新の状況に関しては、ぜひ各所の最新情報も含め、確認されることを強くお勧めします。

中国で会社設立をする流れ

中国で会社設立を行う場合の進出形態は、

  • 現地法人設立
  • 支店設立
  • 駐在員事務所設立

の3つのパターンがあります。

ただし、駐在員事務所の場合は営業行為ができません。

そのため、駐在員事務所は、事前の市場調査の場合を除いては、会社設立の対象からは外れる事が多いです。

また、支店という形態は、金融機関やエアライン等、特定業種のみに関し、設立が認められています。

そのため、一般的な企業・個人が中国でビジネスを行う場合は、現地法人という形態を取り、本格的に営業する形となります。

地方工商行政管理局から使用したい会社名(商号)の承認を受ける

最初の時点で重要になるのは、中国の地方工商行政管理局から、使用したい会社名(商号)の承認を受けることです。

現地法人として会社を設立する場合は、業態がわかる範囲で任意の名前をつけられますが、注意点として「進出する地域の地名を入れる」必要があります。

商号の承認に関しては費用は不要ですが、一定期間の期限があるので、期限内に手続を進める必要があります。

取締役の選任

取締役の選任手続も必要です。

日本で言ういわゆる「取締役」は中国で「董事」と言います。

中国国内に居住していなくても、董事への就任は可能です。

ただ、就労ビザが取得できないと、中国国内で仕事をすることはできません。

そのため、まず会社設立を完了させ、その後就労ビザを申請するという流れになります。

やはり、企業や個人単独では、手続を行うことは難しいため、中国専門の会社設立代行会社や、海外進出支援を謳う会計事務所等に依頼するのが無難と言えます。

定款の作成と登記

日本で言う定款は、中国では「章程」と言います。

日本と同じで、「この場合はこう書く」というひな形はおおよそ決まっています。

会社名、本店所在地、業務内容、資本金額など、日本でもよくある項目から、投資者投資比率、投資者(発起人)氏名、住所、職業、引受株式数等を記載します。

その後、書類が整うと、地方政府で外資企業の批准を行い、工商行政管理局(日本で言う、いわゆる法務局)で登記申請を行います。

実務上は、会計事務所や専門会社を通して、批准・登記依頼を行います。

就労ビザの申請

会社設立が完了すると就労ビザを申請することが可能となります。

ビザの取得に関しても、会社設立代行会社、コンサル会社、会計事務所などが窓口となります。

(ビザの申請センターで個人申請を行うことも可能ですが、極力専門の事業者に任せた方がよいでしょう)

ビザが取得さえできれば、居住取締役として中国で実務に取りかかることが可能です。

ただ、問題は2020年11月現在も、新型コロナウイルスの影響がまだ全世界に残っているということです。

これまでのケースでは、

  • 就労ビザを日本の中国在外公館で取得(年齢・学齢・職歴などにより取れないこともあり)
  • 就労ビザ発行後30日以内に就業証の発行を行う

という形となっていますが、現在に関しては状況が変わっている可能性もあるので、ご注意下さい。

取締役会の開催

取締役会(中国で言う董事会)を開催します。

書面でも可能で、董事長の決定、董事会で総経理(いわゆる代表取締役)、会社会計士を選任します。

銀行口座の開設

法人口座を開設します。

この法人口座開設に関しても、中国進出を支援する会計事務所・会社設立サポート会社に全面的にお願いすることがおすすめです。

口座開設完了後、資本金を送金します。

なお、中国の場合、通常の事業用口座と、資本金用銀行口座は別にする必要があるとされていますので留意下さい。

会計士の選任

会社設立後、前述の取締役会の時とあわせ会社会計士を選任します。

月次決算を作成・報告する必要があります。

また、会社会計士に選任される上では、中国における会計士の資格も必要です。

中国で法人設立すると掛かる費用

中国で法人設立を行うとかかる費用に関して、大まかな概要を提示します。

年々中国の経済成長に伴い、条件が厳しくなっている可能性がありますのでご注意下さい。

(1)資本金

中国の外資企業には、いわゆる最低資本金の規定は存在しません。

ただ、実際に活動が認可されたり、銀行口座開設という実務面では、一定額の資本金がないと、管轄官庁に活動を認められなかったり、銀行が口座開設を拒否する可能性がありますので、ご注意下さい。

具体的な額に関しては、地域・業種により異なるため、地域の事情に通じた代行事業者や会計事務所に確認する事が必要です。

(2)オフィス賃料

中国のオフィス賃料の相場は、年々上昇していましたが、東洋経済オンラインによると、2020年はコロナウイルスの影響もあってか”Aクラスオフィスビルの4~6月期の平均賃料は1平方メートル当たり月額360.5元(約5516円)”と、1年半近くの減少が続いているとのことです。

中国で事務所に入居する際は、資金や家賃の前払いを求められますが、こちらも仲介業者により異なるので、事前確認が必要です。

(3)法人税

法人税は、基本法人税率は25%とされていますが、こちらも地域・情勢など様々な要因で異なる可能性が出てきます。

詳細は代行事業者・会計事務所に確認し、最新の情報を確認することが必要です。

(4)ビザ申請手数料

ビザ申請手数料も会社により異なりますが、期間としては概ね1週間~10日程度、料金は各種実費+代行費用で35,000円前後を見ておくとよいでしょう。

(5)法人運営費用

法人運営費用に関しては、現地従業員の賃金等を考慮する必要があります。

賃金に関しては、職種・ポジションにもよりますが、5,000元~15,000元程度を見込んでおく必要があります。

また、社会保険料に関しては、事業者負担全体ではおおよそ40%近くとかなり重いです。

加えて、収入から費用を差し引いた利益に関し、25%の法人税がかかります。

こちらも、時期により情報が異なっている可能性もあるので、会社設立代行会社や会計事務所など、現地事情に精通している事業者に確認して下さい。

中国で会社設立する際の必要書類

中国で会社設立を行う際の必要書類について概要を説明します。

こちらも、時期により内容が変動する可能性があるため、現地事情に精通した事業者に相談した上で、最新情報を得ることが重要です。

法人が中国の規定するネガティブリストに該当するか否かで変わってくるのでご注意下さい。

ネガティブリストの内容は年々変更されており、2019年にジェトロが発表したネガティブリストは、対象業種が40種に上ります。

会社設立許可の申請で必要な書類

会社設立許可の申請書類に関しては、「ネガティブリスト」に関し注意して設立する必要があります。

当書類内にある「ネガティブリスト」は、「外商投資参入特別管理措施」とも呼ばれ、リストの業種は参入が規制されています。

ネガティブリストに該当する場合

ネガティブリストに該当する場合は、特別管理措置が行われます。一例として、以下のような規制が存在しています。

  • 国外の投資者は、個人事業主、個人独資企業の投資者、農民専業合作社のメンバーとして投資経営活動に従事してはならない
  • 国外の投資者は、『外商投資参入ネガティブリスト』中の外商投資を禁止する分野への投資を行ってはならない

予定している業種がネガティブリストに該当する業種である場合は、特に会社設立代行会社・会計事務所などと緊密に相談する必要があります。

ネガティブリストに該当しない場合

ネガティブリストに該当しない場合は、厳しい参入規制はありません。

ただ、ネガティブリストの内容は年々変更されているので、自身の行う事業の動向を注視する必要があります。

会社の登記手続きで必要な書類

会社の登記手続で必要な書類は下記の通りです。

会社設立許可申請で必要な書類は、ジェトロの情報によると、

  • 「企業登記(届出)申請書」
  • 企業定款(有限責任会社の場合、株主全員により署名する。株式有限会社の場合、発起人全員により署名)
  • 株主、発起人の主体資格証明書あるいは自然人の身分証明書
  • 法定代表者、董事、監事およびマネジャーの就任証明書
  • 住所(経営場所)の合法使用証明書
  • 募集設立の株式有限会社は、資本検査機構が発行する資本検査証明書を提出。発起人の初回出資が非貨幣資産である場合、財産権移転手続きの証明書を提出
  • 募集設立の株式有限会社は、公開株を発行する場合、国務院証券監督管理機構より発行される批准書類を提出しなければならない
  • 法、行政法規と国務院決定規定により承認の必要がある企業、もしくは経営範囲について承認の必要がある項目を申請する場合、事前承認証明書あるいは許可証明書の写しを提供
  • 審査機関の批准文書(外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)の分野に該当する企業のみ)

印鑑作成の申請で必要な書類

印鑑作成の申請で必要な書類は、工商管理局の公安局窓口で、

  • 営業許可証 副本の原本及びコピー
  • 法人代表者及び実務担当者の身分証及びコピー
  • 必要に応じ委任状

を提出し、印鑑作成を申請します。

数営業日で、法人代表印・会社印・財務印という、日本で言う「会社設立印鑑3点セット」のようなものを作成して貰えます。

印鑑作成費用は200元前後とされており、各印鑑には固有番号、いわゆるシリアルナンバーのように独自の番号があります。

銀行の口座開設で必要な書類

中国で企業活動を行う上では、法人の銀行口座も当然必要です。

また、必要書類の部数、書類のサイズに関しても規制があるので注意が必要です。

  • 営業許可証 正本及び副本原本・正副コピー4部
  • 外商投資企業批准証書 原本、原本コピー4部・外国為替登録証原本
  • 組織コード証明書 正本及び副本原本・正副コピー4部
  • 法人代表身分証もしくはパスポート原本・原本コピー4部
  • 銀行業務担当者の身分証原本、原本コピー4部
  • 委任状(公印、財務印、法人印、法人の署名:法人代表以外が手続きする場合必要です)
  • 税務登記証の正副原本コピー4部
  • 必要に応じ委任状
  • 作成した公印 財務印 法人印

なお、正副コピーは会社印(公印)が全て押されている必要があります。

対外貿易経営件(輸出入件)の申請で必要な書類

貨物・技術貿易業務を実施する対外貿易経営者は、商務部または商務部が委託する機関で届出・登記手続きを行う必要があります。

詳細に関しては、JETRO:中国での輸出入に必要な対外貿易経営権(輸出入権)の取得方法について教えてください。というページに流れがありますが、要点を抜粋・要約します。

具体的な手続としては、所在地の商務主管部門が指定するウェブサイトで「対外貿易経営者届出登記表(以下登記表)」に必要事項を入力し、申し込む必要があります。

その後、登記申請期間に

  • 必要事項を記入した「登記表」(署名、捺印済み)
  • 営業許可証のコピー
  • 対外貿易経営者が外資系企業の場合、外商投資企業批准許可書のコピー
  • 公証機関が発行した財産証明書、外国(地域)企業は公証機関が発行した資金信用証明書

登録機関が、上記書類を受領後5日以内に登録手続きを行い、登録表に「登録済み印章」を捺印します。

さらに、捺印済みの「登録表」に基づき、30日以内に当該地の税関、検査検疫局、外貨管理局、税務部⾨で対外貿易業務に必要な手続きをする必要があり、この手続をしないと、登録票が失効してしまいます。

なお、各種部門のうち、⼀つの部⾨が正式に受理すれば登録表は有効となりますので、全部門に30日以内に申請する必要があるわけではないですが、いずれにしても手続は急ぐ必要があるといえます。

税関登記で必要な書類

税関登記を行うには、商務局機関で貿易権(輸出入権)の登録完了後、税関で税関登録を行います。

  • 税関申告に使用する印鑑登録
  • 担当者名簿の届け

上記の書類を提出、通関申告を自社で行うか、外部に委託するかを登録します。

外部委託の場合は、業者名も登録する必要があります。

税関申告が完了すると、申告事業者のCRコードという登録番号が発行され、中国における税関申告手続が可能になります。

まとめ

当記事では、中国の会社設立の概要を大まかに把握いただくために、各手続の概要紹介にとどめ、具体的な手続の詳細に関しては、省略している部分もあります。

実際に手続を行うとなると、中国国内のローカルルール・不文律や、各地域におけるローカルルール・不文律が存在することも想定されます。

外部の会社設立事業者や、会計事務所のサポートなしで会社設立登記やその後の手続、法人運営を行うことは、至難の業と言えましょう。

また、中国の経済成長率は、毎年6~7%(ただし、最新の2020年度7-9月期は4.9%と、コロナによる足踏みもあるが、成長自体は続いている)と、年々成長を続けています。

このため、中国進出後の様々なランニングコストも年々上昇することが見込まれます。

その点を考慮して、中国への進出を検討することが重要と言えます。

会社設立をするなら「比較ビズ」

最後に「比較ビズ」の告知をさせて頂きます。「比較ビズ」はあらゆる専門家・業者に無料で一括で見積もりが取れるサービスを提供しております。

  • 会社設立にかかる費用を一括で見積もりたい
  • 税理士、司法書士、行政書士...一体誰に依頼していいかわからない
  • その後の顧問契約を見据えて良い専門家を探したい

会社設立に際して、上記のような悩みがある方はぜひお気軽にお問い合わせください。「比較ビズ」は会社設立を代行する会社でなければ、専門家を紹介する会社でもありません。あくまでお客様自身が、ピッタリの代行先を探すサービスとなっております。

そのため会社設立後に、その業者と顧問契約をする必要はありませんし、お客様または業者に成果報酬費用を頂くこともありません。無料で使えるサービスとなっています。また、会社設立以外にも、

  • 格安な税理士と顧問契約したい
  • 助成金の申請に際して就業規則の作成を依頼したい
  • 会社を立ち上げたのでホームページを作りたい

といったように、あらゆる用途でご利用いただけます。まずはお気軽にご利用ください。

最近の投稿